言葉
2020年04月24日にアメブロで、お題「夜ご飯の定番メニュー教えて!」に応えて書いた内容です。 「正しい日本語」を言い募る者ほど「正しさ」を論理的に説明できなかったり、自らの「排除」の態度こそが日本語を貧しくすることに気付かなかったりする矛盾と滑…
言葉の意味を問題にしています。 まず、「最高気温が30℃を上回る」が何を指すのかは解る、ということにする。 たぶんこういうことだろう: グラフ① 1日の気温の変化の中で、30℃未満のところから上がっていって、30℃超過のどこかに達して最高気温を記録して、…
言い回しとして全く正しいし有用なんだけど、たんに頻繁に見掛けるためにうんざりなものってある。 「〇〇としての△△」もそうで、放送大学の講義のタイトルの、私の印象としては半分までがこれで、頻繁に使われるのは、学問のために積極的に有用だからであっ…
「グルジア語の日」って何だろう? いや、そうじゃなくて。 《1978年のこの日、ソ連・グルジア共和国で、公用語からグルジア語を外す新憲法案に反対するデモが発生した。/この日は新憲法批准のための最高会議の招集日であった。グルジア共産党書記長シェワ…
私自身、「もにょる」の原義やニュアンスをいまいち掴みかねて、今に至ってる。巷の誤用というか意味の拡散も追えてない。 誤用の一部については、「モヤる」との連想・混同を疑ってる。単なる批判の言葉として受け取る方がいらっしゃるということは、不用意…
語の選び方。 やまとことばで言えることはやまとことばで言いたい。でも現実には、厳密さのために漢熟語を多用することになる。 単語は多義的なので、意味する範囲を限定するには漢熟語が便利。やまとことばで厳密に言おうとすると、一語では意味を絞り込め…
ちなみに、私の手許の聖書は日本聖書協会の『舊新約聖書 引照附』いわゆる『文語訳聖書』。 ウィキペディア「文語訳聖書」によると、 「元来、この翻訳は大英国聖書会社、米国聖書会社、北英国聖書会社の日本支社の共同事業」 「1874年、ヘボン、ブラウンら…
片桐はいりと時東ぁみのコンビ https://t.co/OPjN8eaXnu — 新海智子 (@coccyx_T) December 9, 2021 Q: 何故私は直前の音と同じ段の母音を小さく表記することに引っ掛かりを覚えるのか? A: 音素に還元したいから。 例えば「アパシィ」「レガシィ」の「ィ」に…
詩を書くんでした。 hero [híə̯rəu] と pierrot [píə̯rəu] が踏んでるのに気付いて、これを使って1篇書くことを思い立ってから、何年経つのか。 折しも、 君には音素2つと聴こえるけど、実は16個 https://t.co/zUVxIXAjQE — 新海智子 (@coccyx_T) December…
単語の意味を、私が取り間違えてた例を、ふたつ。 I. 「生産性」 過去記事からの引き写しです。以下。 生産性の対義語は、非生産性でも破壊性でもなく、創造性だと思う。 作曲における生産性って判らない。生産性のための作曲という発想は存在し得ない。 生…
猫の名前でいちばんいいなと思ったのは「ねもじ」。 女房詞の佇まいでもあるし、『不思議の国のアリス』由来とも思える。 女房詞で「ねもじ」は「ねぎ」のこと。あと、「ねぎ」を「き」と一文字でいったことから「ひともじ」ともいうらしい。 「ひもじい」が…
NGC が New General Catalogue の頭文字だと知る。狐に抓まれてる。 Nebula も、Galaxy も、Cluster も、ネーミングには関係無いのか。 出来過ぎ。 出来過ぎだけど、もともと General Catalogue というのがあってこれに追補したものだからこの名前になってる…
拙アメブロ記事2020年02月18日より。以下。 古英語 (Old English) 700-1100 古英語には 4 大方言が区別された.ウェスト-サクソン方言はウェセックス王国の言語で,今日残存する写本の大部分は,この方言で書かれている. 中英語 (Middle English) 1100-1500…
《常日頃感じていることなのですが、翻訳機に掛けて読まれることを前提にして文章を書くと、曖昧さの無い語彙と修辞で書ける、という場合があると思います。 「明確に書く」とは、まず「明確に考える」ということです。読み手に対してという以前に、まず書く…
語義の「恣意」や「曖昧」はもちろんいけない。 でも、言葉は本来多義的だ。文脈が意味を限定する。同じ言葉を文脈に応じていろんな意味で使うことは「多義性」であって「恣意」でも「曖昧」でもない。 この言葉をいまこの文脈で、したがってこの意味で使っ…
これは飽くまで私個人の修辞感覚に照らして、なんだけど。 藤子・F・不二雄がジャイアンに言わせた 「おまえのものはおれのもの、おれのものもおれのもの」 は、ジャイアニズムを端的に言い表す名フレーズであるに違いない*1。意味内容においては。 だが私は…
エッセンシャルにメモっておく。 先月、ツイッターで、A氏が「首を垂れ」とお書きになってたのを、B氏が「頭を垂れ」の誤用だ、とお言挙げになってた。私はそれを見掛けて腹が立ち、食って掛かった。 その食って掛かり方の筋が悪かった。私がキレた理由は、B…
ツイッターのハッシュタグ「#検察庁法改正案に抗議します」をタイトルにしていましたが、この記事を書いたきっかけがこのハッシュタグを含む御ツイートだからというだけの理由でした。法案への抗議とこの記事内容は切り分けねばならず、不適当なので、改題…
「おかえり」は、「ここはあなたの居場所」「私はあなたの味方」の表明だから、「人にかける好きな言葉」として、真っ先に思い浮かべる。 掛けた記憶も掛けられた記憶も無いけど。 唯一、ある新興宗教の団体に引っ掛かりそうになった時、初めて行った「教会…
en.wiktionary.org 《This form died out around the sixteenth century. Since then, it has been most often used jocularly together with brethren, as in “brethren and sistren”.》 user.keio.ac.jp 《比喩的に発展した意味に規則的な複数の -s が付加…
カバはサハラ以南のアフリカのいきもの。もともと日本にいなかったのだから「河馬」は訳語にちがいない。 「1817年までに編纂されたドゥーフ・ハルマに、オランダ語: revierpaard(rivierpaard の古形 < rivier(河)+ paard(馬))の訳語として現れる」 …
trifle と trivia は、綴りも意味も似てるのに、語源は別なのか。 botanical と牡丹みたいな。 manger と饅頭みたいな。 新垣里沙と仲里依紗を、写真を見てなお、区別できない、みたいな。 こういう例、集めてみよう、いつか。 《グループ名の由来は、それぞ…
ブコフをブックオフの「略称」という説明を見て、違うだろ、と思った*1。 パイナップルはパインアップルの「略称」だろうか? ブコフ、ブッコフを略称として、同様の例として「スタバ」を挙げてたりするが、ここで挙げるに相応しいのは「ロキノン」だと思う…
① 「最大の争点」という言い方はアリだ。でも「最大の焦点」はナシだ。 どちらの場合も「点」は話題や物事の「勘所」の意味ではあるけど、「焦点」という語は光学や幾何学の出自を背負い過ぎてる。「点に大きさは無い」とツッコみたくなる。 ふと思った。 ユ…
「真逆」という語に批判的な方がいらっしゃる、という情報を齎して下さった方に感謝です。そのことを知ったうえでの私のスタンスですが、「真逆」は、私の意味しようとするところを正しく表す語なので、今後も積極的に使います。 ググってみて、納得できる批…
日本語で「個人所有の」の意味で「マイ」と言い始めたのは、いつ、何をきっかけに、なんだろう? マイカー、マイホーム。 和英辞典で「マイカー」の定義は「a privately-owned car」になってる。でもこれは「マイカー」の「説明」であって、対応するひとつの…
フランスのバンド Arachnoid、このバンド名の読みを知らないまま来た。 「oi」は「オア」と読みそうになる。 ツッコんで調べはしなかったが、過程で、英語の「-oid」の語源を知った。 -oid(←借入)ラテン語 -oïdēs(←借入)ギリシャ語 -o-eidḗ́s(←派生)e…
前回は、 「ネクターってほぼ聴いてなくて、勝手に『プログレとハードロックとの中間で、どちらのファンからも中途半端な存在と見られてるバンド』というイメージを持ってた。ところが『リサイクルド』を聴いてみたら、全く逆に、『徹底的に突き詰め突き抜け…
むかし国語辞典をプレゼントされた。アカデミックな権威とされるある出版社の。今も刊行されてるか知らない。その後改版があったかも知れない。 下さった方に申し訳ないけど、使えない辞書なのはすぐに判った。定義がいちいち甘い。見出し語は読者にとって意…
漢字にするか仮名にするか迷うことがある。 でもこれは「漢字か仮名か問題」ではなく、「素通りされないためにどうするか問題」なのだ、と気付いた。 「意識を留めてもらいたい」箇所なのか、逆に「字義に引っ掛からずさらっと流してもらいたい」箇所なのか…