高橋悠治「もりこ」

NHK-FM の帯番組「サウンドストリート」は、曜日ごとのパーソナリティがいて、火曜日は坂本龍一の担当だった。

第39回、1982年04月13日放送分は、ゲストに高橋悠治を迎えた。

曲は5曲掛かって、最初の4曲はテープないしディスク出し。

36'46" にスタジオを移動し、最後の1曲は、37'46"~ 41'42"、高橋悠治「もりこ」の 2 piano version。高橋と坂本の2台ピアノで、生収録。

演奏後、高橋の解説:

「最初はね、ピアノ1台を2人で弾く曲だったわけ。

ふつうね、2人の連弾っていうものはさ、女の子とピアノの先生がやるもんなんだよね。それでその手がね途中で交差したりなんかしてね、そこでこう微かに胸のときめきを覚えるとかそういうことをやるわけ。

なんだけど、この場合はですね、もう手が全く重なってね、同じ音を2人が縺れ合って弾くっていうような曲を作ったもんだから、誰がやってもね、必ずしくじるのね。絶対上手く行かないし、1人で練習しようもないわけ、こういうものは」

「ピアノっていうのはね、上手い人っていうのはさ、こう鍵盤の端から端までこう駆け巡ったりしてね、で上手いなあっていう感じで聴くわけじゃないそれをね。だから1人でこう2人も3人分もね、やってる凄い、っていうことになるわけね。

ところがね、1人でね上手く出来るようなことをね2人に分けてみると全然これが上手くいかないの、いくら上手い人がやっても。そういうことなのよ」

 

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