2017-03-01から1ヶ月間の記事一覧
「音楽に sus4 の解決を持ち込むな」は私のスローガンだけど、「sus4」がダメなのではなくて「の解決」がダメなのだ。常套手段だから。 4度への好みを、私は強く持ってる。 子どもの頃、「ドミソ」の和音にもう1個音を足すとしたら、 の、 1「ドレミソ」は、…
音楽の基本3要素はリズム、旋律、和声、と義務教育で聞かされる。この説をまともに採用する楽典があるか知らない。 厳密でもないし、音楽の多様な在り様への目配りも無い。 「旋律」は音高と「リズム」で出来ている。一方が他方を要素として含む2つを並列し…
私にとって、音楽≒作曲。 クラシックでは作曲者がいちばん偉いに決まってる。演奏者の仕事は、作曲者の意図を正確に形にすることが全てだ。 と思ってるので、私のNHK交響楽団の評価は高い。身近にN響を貶す方が多いと前に書いたが、思い当たるのは、じゃあ逆…
「癒し」という言葉を蔑視するのは言わずもがなだが、その私が、音楽に「救われた」と発言することが少なくないのだった。 私が救われるのは、「表現」の対極にある、純粋に音の戯れであるような音楽に。 ハイドンとか。 ある時救われたくてクラウトロックに…
私が自分で買った最初のCDは、ストラヴィンスキー「ペトルーシカ」ブレーズ/クリーヴランドか、King Crimson "Starless and Bible Black" か、どちらか。 私はプログレのCDをあまり買わない人だった。叔母の書斎でアナログ盤を聴いて過ごして判った気になっ…
むかし武満のドキュメンタリーでワンシーン、印象に残った。 仕事場で、難しい顔でピアノに向かって作曲する武満。 響きを探り当てようと鍵盤をまさぐる指が、おもむろにドビュッシー『子供の領分』第5曲「小さな羊飼い」の一節を弾きだす。 笑ってしまった…
私の記憶だと、ストラヴィンスキーとラヴェルは一緒にシェーンベルク「ピエロ・リュネール」(1911)の譜面を目にし、両者とも「いかん!」となり、ストラヴィンスキーは「3つの日本の抒情詩」(1913)を、ラヴェルは「ステファヌ・マラルメの3つの詩」(191…
若い頃は精神生活に妥協が無かった。 文章でも、「書く」ことについて十全かつ厳密だっただけでなく、「書かない」ことについて徹底してた。 接続詞を使わないことにこだわった。論旨を明確に示し得ていれば、接続詞を置かなくてもその前後の関係が、順接な…
酒井康志氏による、初音ミクが歌う "Kew. Rhone."!! 酒井氏は作曲家、鍵盤楽器奏者、テルミン奏者、バンド 'FOMALHAUT' のメンバー(「リーダー」というご紹介で正しいでしょうか?)、バルトーク「ミクロコスモス」を全曲、ミクに歌わせてしまった方でも…
いっぱんにどの作曲家についても、「〇〇のファン」という括りが価値の共有を保証しない。その作曲家の、どこを、どう、聴いてるのか、好きなのか。 ではあるけれども、ファンを自称する者同士の会話に最も齟齬を生じるのは、ドビュッシーだ。 それはドビュ…
つべで「空耳アワー」をよく見るのだが(放送で見たことは殆ど無い)、「ホモ」「オカマ」「ゲイ」がいつも笑いの対象にされてることと、セクハラ(場合によって性犯罪)に対して寛容な表現が少なくないことが、いくら昔だからって通らないだろう、と思う。…
最初に知った武満は何だったか? 実家にあったアナログ盤2枚組『武満徹~作曲家の個展~'84』か、あるいは松田洋子『薫の秘話』中のネーム 「武満徹『エアー』」(最上品美のセリフ、むしろわけわからない音楽の代表として) を読んだのが最初だったかも知れ…
「星の王子さま」ではみんな泣くのだ。「不思議の国のアリス」で泣けなくては! 私はジャズをまったく知らない。先日アメーバピグの音楽フロアでマイルズの 'So What' を聴かせて頂いた。このエポックメイキングな "Kind of Blue" を「ちゃんと聴いたのはこ…
ふつうに泣ける。 原曲が Matching Mole だということを措いて、ふつうに。 でも、このアルバムでは他に Genesis、King Crimson、Pink Floyd、Robert Wyatt、ELP の曲がカヴァーされてるけど、どれも熱心に聴く気になれなかったので、やはり Matching Mole …
説得力とは。 ヒトの想像の及ぶ範囲には限界がある。ふだん関連付けて考えてないあの事とこの事とはこう繋がってる、と示し、ハッとさせ、腑に落ちさせる。 むかしTVで、外国のCMの特集番組があった中で、献血を呼び掛ける、ヨーロッパのどこか(ドイツだっ…
この記事 の中程で、「それまで理解できなかったものが『理解できる状態になる』ことの内実に、『馴染む』こと以外の要素ってあるのだろうか?」と書いた。 ドビュッシーやジェネシスに音楽美の範疇を見出していた小6の耳が、シェーンベルクの無調になってか…
ライヴのアイデア。 概要 美術館か水族館のような内部構造の建物。 その各所に数十個のスピーカを配置する。各スピーカでそれぞれ別々の音の出来事が鳴り続けている。それぞれの出来事は、間欠的でもいいし、持続的でもいいし、パターンの反復でもいいし、そ…