平均律クラヴィーアのパロディ

ふつうに泣ける。

原曲が Matching Mole だということを措いて、ふつうに。

でも、このアルバムでは他に GenesisKing CrimsonPink FloydRobert WyattELP の曲がカヴァーされてるけど、どれも熱心に聴く気になれなかったので、やはり Matching Mole の原曲の「持続力」の魅力だし、Gattoさんの編曲センスがそれを活かした、のだろう。

偶然見つけた。Gattoさんは初めて知った。

 

原曲。

2nd. アルバム "Matching Mole's Little Red Record" の1曲目、 'Starting In The Middle Of The Day We Can Drink Our Politics Away' 。

歌詞は実質2行で、すごく短い曲へのすごく長いタイトルは、この歌詞2行を全部そのままタイトルにしたもの。

このあとメドレーで2曲目 'Marchides' に繋がる。その冒頭、なぞなぞとおぼしきやりとりに続いてテーマ提示になだれ込むインパクト。

この、アルバム開始から3分半ほどは、プログレの最も目醒ましい創造のひとつ(それに続く長いベースソロは私には退屈)。

で、この 'Starting In The Middle Of The Day We Can Drink Our Politics Away' のピアノパートは、バッハ『平均律クラヴィーア曲集第1巻』第1曲 ハ長調 BWV846 の前奏曲 のパロディ、ですよね?

 

テイク1:

 

 

バッハの同曲のパロディといえば John Greaves のこれがある:

4th. ソロアルバム "Songs" (1993) でのヴァージョン。 

私は 2nd. ソロアルバム "Parrot Fashions" (1984) でのヴァージョン*1が好きだけど、つべではあとこれしか見つからない:

*1:追記 2024年01月16日

上がりました!

とくに、2'36"~ 3'57" が、低音オクターヴ・ユニゾンのメロの符割と音程の跳躍が鋭角的で、レコメン耳には最も歓迎される箇所なのに、以後のヴァージョンでは、ごく短いブリッジ(ホールトーンの上行)に置き換わる。"Songs" ヴァージョンでの 2'15"~ 2'26"、Valérie Gabail ヴァージョンでの 2'25"~ 2'35"。

もともと "Parrot Fashions" ヴァージョンでもここはホールトーンで、ここをホールトーンにすることには必然があるようだ。