2022-01-01から1年間の記事一覧

Follia!

Follia! の最高傑作、様々な音楽性の取り込みの貪欲の行き着いた先、2014年の 3rd. アルバム "Follia!" が Discogs に無いのはどういうわけだろう? 根っこはトラッド・バンドなんだろうけど、がちゃがちゃと無節操な音楽性がキモで、3枚のアルバムのあとほ…

Iļģi、ほか

アメーバピグの音楽フロアがまだあった頃、そこで掛けて、でもはてなブログに移って来てからまだ一度も取り上げてなかったもの。 Lanugo 'Tak i já' (2011) Lanugo は先日も1曲貼った。プログレ耳で選んで。 今回のは、ポップだし、エレクトロ要素が大きいけ…

渾沌

私がサン・ラーを最初に実際の音と絵として聴き、視たのは、何かのフェスでの「アルケストラ」の映像で、いっぽうでは確実な衝撃、いっぽうでは巨大な当惑だった。 大人数の演奏家たちが、各々デタラメと見えることを、取り憑かれたような熱量を以て、やって…

Trys Keturiose とスタルティネス

Trys Keturiose はリトアニアのヴォーカル・アンサンブル・グループ。伝統的声楽アンサンブルのスタイル「スタルティネス」の継承者。 "Kas Tar Laka"(Dangus DGCD 039、2012年)から。 これは短2度の重なりが生じてて面白い: スタルティネス sutartinės …

メモ(二人山下洋輔)

【ライヴのアイデア】 「二人山下洋輔」(2台のピアノのための) 山下洋輔のインプロを完コピし、2人でユニゾンする とメモしてたのをふと思い出すのと同時に、メモした時点でまったく結び付いてなかった、忘却の淵に沈んでたある記憶が蘇った。 昔、たぶん…

武満徹「遠い呼び声の彼方へ!」、ほか

何故ウケないんだ! 「NHK交響楽団」の略じゃないですかね https://t.co/oSHc7e3a9o — 新海智子 (@coccyx_T) April 6, 2022 *1 武満徹:ヴァイオリンとオーケストラのための「遠い呼び声の彼方へ!」('Far Calls. Coming, Far!'、1980年) 徳永二男(ヴァイ…

Antoine Guenet

Antoine Guenet 氏の次作は、ご本人の御ツイートによると、「サイレン」('Siren' でしょうか)というタイトルだそうです。もうすぐ聴けるそうです。 これは今年3月12日、目下の最新作ということになると思います: Guenet 氏のことは、まず SH.TG.N の中心…

Baumstrasse

ギリシャの作曲家/ギタリスト Βασίλης Μαντζούκης (Vassilis Mantzoukis) とヴォーカリスト Μάρθα Φριντζήλα (Martha Frintzila) のコラボ・アルバム、"Baumstrasse"(Libra Music、2007年)。 民族音楽、ロック、ジャズ、クラシック、などの様々なジャンル…

「フォガットの『シティ・ロックン・ロール』」

いま夢で「フォガットの『シティ・ロックン・ロール』」という言葉を聞いた。FM ラジオの音楽番組のパーソナリティが曲名を紹介する口調だった。 目覚めてググって、フォガットというバンドも「シティ・ロックン・ロール」という曲も実在してビビった。但し…

強弱法

例えば、弦楽オケで、個々の奏者がトレモロをやって、全体としてざわめきを作ってる場合、これをクレシェンドさせるのに、個々の奏者がクレシェンドするのではなく、個々の奏者はただひたすら機械的に同じ強さでやってて、奏者の「人数」を徐々に増やすこと…

作曲は辻褄合わせではない

「モードありきでこれに沿わせてメロを動かす」のが作曲じゃない。いうまでもない。作曲は辻褄合わせじゃない。 この曲のモードは「コンディミ」なのか「民族っぽい」のか。 キーは D で、es が出て来る箇所ではコンディミっぽい。でも e が出て来る箇所もあ…

PFM! PFM! PFM!

PFM "Cook" がつべに全曲上がってる! しかも Expanded が全曲。そもそも私は2011年に Expanded が出てたのを知らなかった。初めて聴く音源がどっさり。 PFM のライヴを CD 3枚分、ぶっ通しで聴いてしまった。 'Four Holes In The Ground' が2テイク入ってた…

Dome

Dome は Wire の2人、Bruce Gilbert と Graham Lewis が、Wire が活動を休止した1980年に始めたバンド。 Wire は初期3枚のアルバムの、あとほどパンク要素が無くなり実験要素が増す。Wire 活動休止後もその勢いで Gilbert と Lewis は突っ切るというか、更に…

Doctors Of Madness とはなんだったのか

Doctors Of Madness は、Wikipedia によると「プロトパンク・アート・ロック・バンド」、Discogs のバイオがガーディアン2017年05月を引用するところによると「デイヴィッド・ボウイとセックス・ピストルズのあいだのミッシング・リンク」。 ギターの Kid St…

Vangelis "Heaven and Hell"

ヴァンジェリスの代表作が何か私は知らない。訃報記事には『ブレードランナー』『炎のランナー』が挙がってる。 まずなによりもアフロダイテズ・チャイルド『666』(1972年)が怪物的だ。 『天国と地獄』(1975年)を私の好きなアルバムとしてことさら挙げる…

Rachel Sweet "Fool Around"

国なり地域なりで括って音楽を紹介することは、検索の利便のためくらいに思っておくべき。 アーティストを論ずるのに、必ずそのアーティストの「国籍から」お始めになるライターさんっていらっしゃる。 「国籍」と「エスニシティ」は違う、という問題もある…

Max & Malcolm

私の関心はもともと、Metabolist の Malcolm Lane(ギター、シンセ、ヴォーカル)が Max & Malcolm というユニットで1982年にセルフ・タイトル・アルバムを1枚出してる、というところだったのです。 A面6曲が Max Headroom の作・演奏、B面5曲が Malcolm Lan…

ファ♯とシ♭を含む音階

この過去記事で 「長音階にどんな音階を据えるか」 「そもそも音階というものが「周波数の単純な整数比で表せる=協和する音程を並べたもの」だとすれば、最も協和なのは倍音列だから、これに(近似値で)沿う、 ド-レ-ミ-ファ♯-ソ-ラ-シ♭ という音階…

"miniatures"

miniatures a sequence of fifty-one tiny masterpieces edited by morgan-fisher 最近フル・アルバムのつべが上がった: 1980年。Morgan-Fisher (Morgan Fisher) が、いろんなアーティストから募った1分間(以内)の曲を51曲連ねたアルバム。 こちらの Disc…

Scott Matthews 'Dream Song'

今気付いた。これ、1970年代のものじゃないんですね。 'Dream Song'、1976年生まれの SSW、Scott Matthews の、2006年のデビュー・アルバム "Passing Stranger" から。 10年前、カケレコさんのサイトで見つけた。 「おかしいな私… 嗚咽しながら聴く音楽じゃ…

Nor Dar

Nor Dar は、アルメニアはエレバン出身の作曲家(女性) Kora Michaelian (1971 - 2001) がギリシャで結成したバンド。 2nd. アルバム "Ampel'a"(Libra Music LM018-2、2000年)は、インドの高名な古典声楽家 Lakshmi Shankar を迎えてのもの。 1曲目 'My H…

Pete Sinfield 'Under The Sky'

05月15日(次の日曜日、もうすぐ)には、Chihiro S. 氏のライヴ Pagan Prog Fest 2022 2022年の逆襲 Chihiro S. 芸能生活40+2年記念ライヴ があります。 さて、Pete Sinfield のソロ・アルバム "Still"(1973年)では、'Under The Sky' が、その清新なアレン…

Bent Knee

Bent Knee 'Leak Water' 3rd. アルバム "Say So"(Cuneiform RUNE 417、2016年)収録曲。 ライヴ。データが無いけど、動画アップは2016年。 MV。 'Being Human' 2nd. アルバム "Shiny Eyed Babies"(セルフ・リリース 番号なし、2014年)から。 2009年結成、…

Lenka Dusilová、Lanugo、ほか

メンデルスゾーンはわたし的にスケルツォの人。 劇付随音楽『夏の夜の夢』にも有名なスケルツォがある。つべで改めて通して聴くと長さ、というか似た音形が続くのを持て余した。 というところに、これを見つけた。 オケ曲を、クラリネット4本にアレンジして…

Zypressen

上がってるじゃないか! Zypressen "Zypressen"(Belle Antique BELLE 96195、1996年)。 2013年に上がってる。2019年に記事にした時つべをどう捜しても見つからなかったのに。 UP 主の Prog Line さんって何者なんだろう?と以前から謎。ものすごくレアかつ…

Syd Barrett 'Love You'、Kevin Ayers 'Religious Experience'

そうか、05月09日は I scream の日か。 アルバム "The Madcap Laughs" の形に完成することになる Syd Barrett のソロ録音は、1968年04月の Pink Floyd 脱退直後から、マネージャー Peter Jenner のもと試みられるが、セッションが軌道に乗るのは、1969年04月…

サン=サーンス「水族館」

私がサン=サーンスで唯一好きな曲、「水族館」(『動物の謝肉祭』第7曲)。 編成にグラス・ハーモニカを含むけど、グロッケンで代用されることが多い。 グラス・ハーモニカを使った例。 たんに珍しいというだけでなく、いい演奏だと思う。初めて知る演奏家た…

母の日

Genesis 'Mama'(1983年のアルバム "Genesis" からの1枚目のシングル)の歌詞の内容は、Phil Collins によると「ある十代の若者の、年上のセックスワーカーへの執着」なのだけど、「堕胎を胎児の視点から歌ったもの」と解釈されることが多いし、バンドの本意…

Metabolist 'King Quack'

Metabolist のアルバム "Hansten Klork"(Drömm Records、1980年)から、'King Quack'。 フル・アルバムのつべも上がってる。各曲単独のつべは、この 'King Quack' については、上がっては削除されを繰り返してて、今また上がってるのを発見した。 改めて聴…

メモ(ギター・ソロ)

私がギター・ソロを聴かないのは、世のギター・ソロの大半が「単旋律」だから。 もっと正確にいうと、ギター・ソロのために設けられる § が「メロと伴奏」のホモフォニーで出来てるから。 だから、いまの若い方たちがギター・ソロをスキップなさるのとはおそ…