武満徹「遠い呼び声の彼方へ!」、ほか

何故ウケないんだ!

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武満徹:ヴァイオリンとオーケストラのための「遠い呼び声の彼方へ!」('Far Calls. Coming, Far!'、1980年)

徳永二男(ヴァイオリン)、外山雄三NHK交響楽団

この momo taguchi さんとおっしゃるアカウントは、FM 放送のエア・チェック・テープをアップなさるアカウントのようなので、動画タイトルの「(1982 3 25)」は、演奏のじゃなくて放送の日付でしょうか?

 

「遠い呼び声の彼方へ!」は民音の委嘱で1980年に作曲。同年05月24日、アイダ・カヴァフィアン*2のヴァイオリン、尾高忠明東京都交響楽団により初演。

第29回尾高賞受賞曲。

「海のモティーフ」、es - e - a が重要な役割を果たす武満の一連の作品の、最初に当たるものだろうか?*3

タイトルはジョイスフィネガンズ・ウェイク」の最後のパラグラフ、'Far calls. Coming, far!' から。

「武満はダブリン市を流れるリフィー河が海に入る光景のイメージから、「ヴァイオリンが調性の海に流れ込んで行く」音楽を構想した」(ウィキペディア「遠い呼び声の彼方へ!」)。

 

この momo taguchi さんのアカウントは、膨大な数のエア・チェック・テープをアップなさってる。「クラシック」である、という以外、完全に無節操で、作曲者も、演奏者も、なんの条件も設けずにお聴きになってるとお見受けする。つまりは NHK-FM のクラシック枠をはじからエア・チェックなさってて、その中に現代曲も含まれる、ただし『現代の音楽』(番組名)からのものは見当たらなかった(膨大過ぎて、私はまだ全部チェックしたわけではないけど)。

 

これは実家にあったカセットと同じ音源に聴こえる:

でも小澤のインタヴューは初めて聴いた。パーソナリティは船山隆氏かな??

 

これもたぶん実家にあったやつだ:

でも解説の部分は初めて聴いた。リゲティ自身の言を引いてる:

「もし1953年の『6つのバガテル』と1968年の『10の小品』、この2つを比較すると、音楽的な言葉の不気味なほどの違いが直ちに明白となる。私は少年時代を、第2次大戦後の音楽的な発展から全く孤立してしまっているブダペストで過ごした。音楽的なそうじゅん*4は、一面はバルトークへ、他面はストラヴィンスキーへと定義づけられていた。『6つのバガテル』の第1曲はストラヴィンスキー風であり、そして第5曲はバルトークに寄せる思いが注意を惹く。それにもかかわらず、私は1950年から、全ての伝統的な形式から解き放たれようと試みた。1956年頃に、私はやっとオーケストラ作品『アパリシオン』で私の個性的な音楽の言葉に達したのである。『管楽5重奏のための6つのバガテル』は、全く大変に古いものであり、今の私には全く如何にも有史以前のものに思える」

 

実家にもそれなりに大量のカセットがあったけど、ジャンルは偏ってた。バッハ以前とフォーレ以後というか。いわゆるふつうのクラシックがあったか、思い出せない。

(クラシックに限っていうとそうだけど、ぎゃくにロックもポップも民族音楽もあったという意味ではジャンルを超えてた。)

差別なく万遍にクラシックを聴ける、ということが、私には想像しにくい。

*1:追記 2024年01月23日 大喜利のお題「NHK は何の略?」を引用 RT しての回答でしたが、引用元ツイが削除されました。

*2:わたし的には「タッシ Tashi のメンバー」。

*3:ウィキペディア「海へ (武満徹)」>「楽曲の特徴」>「SEAモチーフ」によると、「既に1974年作曲の『ガーデン・レイン』にも見られるが、武満がこの動機を「海」のイメージと結びついた音名象徴として使うようになるのは1980年代に入ってからのことである」。

*4:相準?