Doctors Of Madness は、Wikipedia によると「プロトパンク・アート・ロック・バンド」、Discogs のバイオがガーディアン2017年05月を引用するところによると「デイヴィッド・ボウイとセックス・ピストルズのあいだのミッシング・リンク」。
ギターの Kid Strange (Richard Strange) を中心とする。活動期間は1975~1978年。Polydor から3枚のアルバムを出す。
"Late Night Movies, All Night Brainstorms" (1976)
"Figments Of Emancipation" (1976)
"Sons Of Survival" (1978)
2017年にボックス・セット "Perfect Past: The Complete Doctors Of Madness" (RPM Records) が出てて、3枚のアルバム、アウトテイク、デモ、ライヴを含む。つべに全曲上がってて、アルバムも出来てる。
1st. アルバム "Late Night Movies, All Night Brainstorms"
は、♩=194・熱量・バカテク・パンク 'Waiting' で幕を開け、アコギと弦楽を中心としてモードもコード進行も陰翳を帯びて移ろうスロー・ナンバー 'Afterglow' などを交え、16分近い長尺を見事な構成力で退屈させない 'Mainlines' で終わる。
私の好みで1曲。'The Noises Of The Evening'。
追記(2022年07月01日)始め
上述ボックス・セット全曲の公式のつべが上がってたのですが、削除されたようです。
現在 'The Noises Of The Evening' についてはこのつべしか上がっていません。モノラルです:
追記終わり
2nd. アルバム "Figments Of Emancipation"
から、オープニング曲 'Brothers (For John & Brian)'。
3rd. アルバム "Sons Of Survival" は、パンク。
ライヴ映像。1976年。
1978年には United Artists Records から2枚組コンピ "Doctors Of Madness" が出てる。
ロックマガジンのいちばん初期のある号に付録として、小冊子、正確なタイトルは判らないけど「プログレッシヴ・ロック・アルバム100選」的なカタログが付いた。そこにこの "Doctors Of Madness" が取り上げられてる。
このカタログは Amon Düül II "Phallus Dei" から始まるという怖るべき選盤のもので、かなりの割合をクラウトロックが占める。
"Doctors Of Madness" については「『ドクターズ・オヴ・マッドネス!』と叫んでセスナで児玉邸に突っ込もう!」と解説されていた*1。
このカタログは Basil Kirchin "Worlds Within Worlds" を取り上げてる。ジャケに(阿木譲が大いに入れ込んでいた)Brian Eno が推薦文を書いてる関係でだろうか? この盤の日本への紹介として、最初に近い、というよりほとんど唯一に近いのではないか? ロックの聴き手に向けて紹介した、ということもポイントだ。
*1:不正確な引用です。