音楽は求道(ぐどう)

音楽が「社交」なんかであってたまるか、という思いが根本にある。 私の、クラシックの演奏会ドレスや燕尾服への違和感の理由。 私は音楽「を」生きる。演奏会ドレスを着ることは、音楽「で」生きることだ。 むろん、「ファッションはダサい」のは、パンクで…

メモ(線の絡み合いの音楽)

いつも音楽について考えるヒントを下さる @fomalhaut 氏の御ツイートを、またリンクさせて頂きます。 音程感を伴わない音程の無断変化を再現出来る楽器の存在は風の音の変化を聴いていると必然に満ちていると感じる。 — Yasushi_SAKAI (@fomalhaut) 2018年4…

わだばクセナキスになる

コメント欄から、SoundCloud にアップしている曲についてご感想を頂戴した。ありがとうございます。これへのご返答を考える過程で、改めて考えたこと。 今回のあらすじ: 欲しい音楽が頭の中にまずあって、これを実現する方法(例えば DTM)を選ぶ、というの…

出会い方

今回のあらすじ ①基本スタンス ②叙情 ①基本スタンス 他人が既にやってることはやらない。 自らがやったことは2度やらない。 ストラヴィンスキーとラヴェルがシェーンベルク「月に憑かれたピエロ」を知って 「いかん!」 となる。 切磋琢磨がチキンレースと化…

当ブログを「ひねくれてる」と評されたことがあるし、殊更に書いてると言われたこともある。 でも私はただ「素直」であるためだけに書いてる。殊更の逆張りはしない。戦略で書かない。思うことをそのまま正直に書くしか出来ない。 素直の結果がひねくれてる…

地下鉄車内 クラシック 環境音

「より快適な車内空間」ねえ…… 地下鉄の音自体が耳を澄まして差異を聴き取るべき対象なんだが。 イーノの "Music For Airports" は、環境音と音楽とがお互いの成立を妨げない。クラシック音楽が環境音と対立しそれを排除するのと逆。 イーノ的発想での「環境…

B級枠 棲み分け 出会い方

ナポリタンは滅多に買わない。 ナポリタンを買う時の心構えは、「好物で満足したい」とは別枠の動機だ。 ペペロンチーノ、きのこと刻み海苔と大根おろしの醤油ベース和風パスタの時とは違う。 自らに「修行を課す」色彩を帯びる。マゾヒスティックな。 嗜好…

事故と方法、事故の方法、事故は方法

録画のナマ性。 録画された内容を、たんに再生する予定調和のようであって、じつはその「録画を再生する作業」の「現場」はナマである。 そのことが、アクシデントによって露わになる。 録画内容を「正しく」=「予定通りに」鑑賞できないことを怒るよりも、…

微分音 音高

「(ニュートンが)虹を7色としたのは、当時、7が神聖な数と考えられていたからである。音楽のオクターブもドレミファソラシの7音からなる。ニュートンは美しい虹も7つの基本の色からできているとしたのである」 (Wikipedia「虹」) がんらい赤から紫へ連続…

音組織

こちょこちょ加筆したので、この際まとめて。 shinkai6501.hatenablog.com shinkai6501.hatenablog.com shinkai6501.hatenablog.com shinkai6501.hatenablog.com shinkai6501.hatenablog.com こちょこちょ加筆は今後も随時やりますが。

メロディについて

この御ツイート たぶんコード(和声)やスケール(音階)について語る人は多くても、メロディ(戦慄、じゃないよ旋律)について語る人が少ないのは、実戦の世界でメロディを奏でる・創るという作業は、その人が内面にどんな語りたい世界(コスモロジー、かな…

続・ふいんき

イメージが書法を決めるのではない。書法がイメージを決めるのだ。 自然の印象を音楽に置き換える「描写音楽」に興味がない。 その置換が可能だとも思ってないが、仮に可能だとしても、 自然が表層に見せている現象をなぞることに興味がない。 現象を成り立…

音楽の基本要素

音楽の基本3要素はリズム、旋律、和声、と義務教育で聞かされる。この説をまともに採用する楽典があるか知らない。 厳密でもないし、音楽の多様な在り様への目配りも無い。 「旋律」は音高と「リズム」で出来ている。一方が他方を要素として含む2つを並列し…

一緒にしてくれるな

いっぱんにどの作曲家についても、「〇〇のファン」という括りが価値の共有を保証しない。その作曲家の、どこを、どう、聴いてるのか、好きなのか。 ではあるけれども、ファンを自称する者同士の会話に最も齟齬を生じるのは、ドビュッシーだ。 それはドビュ…

散歩される音楽

ライヴのアイデア。 概要 美術館か水族館のような内部構造の建物。 その各所に数十個のスピーカを配置する。各スピーカでそれぞれ別々の音の出来事が鳴り続けている。それぞれの出来事は、間欠的でもいいし、持続的でもいいし、パターンの反復でもいいし、そ…

「ノイズ」

以下、音楽の1ジャンルとしてのノイズ・ミュージックを鉤括弧つきの「ノイズ」と書き、一般的な意味の噪音=ノイズと区別します。 この記事 を、今回言い換えてみます。 「ノイズ」とは畢竟「聴き方」なんだろう。 私が「ノイズ」作品を聴いた範囲では、例…

コンクリートミキサー系

マンション建設工事がすぐお向かいで始まり、自室でその音を聴いていた。音でだけ聴いてるので、何の工具をどう使って出してる音なのかは判らなかった。 以下、私が勝手に想像した建設現場風景。 数人で槌を打つ音。1人の作業者にとってはトントントンという…

最も瑣末な関連

「映画音楽ファン」というのは有り得ない。少なくともそれは「音楽ファン」ではない。 映画に付けられた曲であるかどうかと、曲自体の音楽としての内容や音楽としての価値とは関係がない。「映画に付けられた曲だから」はその曲を好きになる理由にならない。…

メモ(テープをめぐって)

「テープ音楽」 20世紀音楽の2つの潮流、「電子音楽」と「ミュージック・コンクレート」はもともと別の、むしろ相反する立場だ。 電子音楽は音を管理し操作し組織する。そのために扱いやすく純化され馴化された「楽音」を要素とする。その意味で従来の音楽の…

ある和声法

作り手的には、人為で音を択んで、重ね、和声として進行させることの「わざとらしさ」の忌避。 聴き手的には、目の前で起きてる音の出来事を、概念越しにでなく、ありのまま聴きとる練習。 ありのまま聴こうとすることは、しばしば、作曲者の意図を尊重しな…

ミシェル・ポルナレフをきっかけに

NHKラジオ深夜便の愛聴者だった時期がある。 ある日 Michel Polnareff のデビュー曲を、「コード3つだけで書いた」という前説に続いて、聴いた。 T、D、S の3つ(キーが E の曲なので E、B、A) を予想したら、 T、S、SS(ドッペルサブドミナント)(E、A、D…

pop

Todd Rundgren "A Wizard, A True Star" あまり憶えが無かったので今つべでフルアルバム聴き直した。 いやはや凄いんだけど、後半、アナログ盤でいう「B面」の「ポップ」がしんどかった。 実家で聴いた当時もこれでへこたれたんだと思う。 以前アメブロで「P…

ズレる、ズラす

↑で、 「書かれた1本のメロディという以上の、呼吸し、生きて動く、音の出来事」 は、ボウイングの指示つまりあくまで「作曲」として処理されてる。 「演奏」ではなく。 ここで生じてるのは「ズレ」なわけだが、演奏者的には、意図してズラすのではなく、作…

ベルクのヴァイオリン協奏曲の出だしについて改めて持った感想について書くための道程⑤(補足)

短音階をどう決めるか、いったん保留したのだった。 現行、長音階はドが主音、短音階はその短3度下のラが主音、となってる。 現行通りドが主音の音階(=イオニア旋法)を長音階とする場合。 長調という性格は5度圏の音が決め、短調という性格は4度圏の音が…

ベルクのヴァイオリン協奏曲の出だしについて改めて持った感想について書くための道程④

私は楽器で作曲することがない。 いや、キーボードに向かってやるわけだけど、キーボードから発想するわけではない。 曲は私の中から来る。それを形にするのに、キーボードの並びが都合がいいだけだ。 なのだが、ヴァイオリンの場合、その調弦法から発想され…

ベルクのヴァイオリン協奏曲の出だしについて改めて持った感想について書くための道程③

ドビュッシーのホールトーンがシェーンベルクのドデカフォニーを準備した、という言い種がある。 オクターヴを等分する。 それを、縦に和声にも、横に旋法にも、使う。 この言い種に対して私が抱く違和感について書くことが、私のドビュッシー観を書くことに…

ベルクのヴァイオリン協奏曲の出だしについて改めて持った感想について書くための道程②

幾つかある教会旋法の中から、ドを主音とする音階=イオニア旋法が「長音階」として残ったには理由がある。 要するに「和声音楽」の時代に入って、T、D、Sのカデンツによって曲を構成し展開させるのに、最も都合がよかったからだ。 サブドミナント=ファが存…

ベルクのヴァイオリン協奏曲の出だしについて改めて持った感想について書くための道程①

5度圏/4度圏 長調/短調 リディア旋法 倍音列 サブドミナント ドローン/カデンツ ドビュッシーとシェーンベルク 音を完全5度で積み上げてゆくと、 c - g - d - a - e - h - fis... とどこまでも協和して開放的な響き。 完全4度で積み上げると、 c - f - b …

懺悔、でもまだその途中

↑で書き漏らしたこと。 私は私の常識をズラしたいし覆したい。その志向が強い。 相対化の視点を得たいし、なるべく極端なそれが欲しい。 音楽の在り方を常に考え直すのが音楽家の仕事だと普通に思ってるから、プログレ聴き始めたんだろうし、プログレを既存…

まだ考え中

乱暴で無責任なことを言ってしまうかも知れません。 特殊・個別に惹かれる。 一般化・グローバル化で取りこぼされるもの。 大和の私が沖縄の音楽、アイヌの音楽をくすねる。 ポップないしクラシックの私が民族音楽をくすねる。 余所者による簒奪。 ジョリヴ…