5度圏/4度圏 長調/短調 リディア旋法 倍音列 サブドミナント
音を完全5度で積み上げてゆくと、
c - g - d - a - e - h - fis...
とどこまでも協和して開放的な響き。
完全4度で積み上げると、
c - f - b - es - as…
と途端に不協和で閉塞的な響きになる。
長調のミ♮、ラ♮は5度圏の音、
短調のミ♭、ラ♭は4度圏の音。
「♮であるか♭であるか」は、その「半音の差」が問題なのではなく、「5度圏か4度圏かどっちに属してるか」の問題で、これが長調短調のキャラを決めてる。
長調は明るい、短調は暗い、というのはつまり、長調は開放的、短調は閉塞的、ということ。
私は音楽は感情表現ではない、音楽と感情とのあいだに関数は存在しない、と思ってるので、「明るい/暗い」を「楽しい/悲しい」と言い換えるのには抵抗がある。
ロマン派的で。
長調については和声を体系づけられる。
それを短調にそのまま平行に移して当て嵌められるわけではない。
まさに、まず Major あっての minor。
G7 なり Csus4 なりのファが C のミに進むと解決と感じるが、Cm の、4度圏の音であるミ♭に進んでもいっこう解決と聴こえず、だから短調の曲はしばしば曲終わりでミに進んで長調で終わる*1*2。
長調の音階はドを主音とし、その平行調の短調の音階はその短3度下のラを主音とする、べきだろうか?
(ちなみに「平行調」という言葉をほんとうは使いたくない。これらは断じて「平行」ではない。これを平行というなら、全てのダイアトニック・スケールが平行となってしまう。)
結論から言うと、私は、リディア旋法を長調の音階とすべきだと思う。
「5度圏」と「長調」との親近性から導く結論である。
リディア旋法は、含まれる7つの音を全て、完全5度の積み上げで得られる。
f(主音) - c - g - d - a - e - h。
「サブドミナントが存在しない」ことがこの旋法の重要な特徴だが、サブドミナントについては次回書く。
短調はどうすべきか?
ここはちょっと今の私には決めかねる。
今回はここまで。
さいきん、ベルクのヴァイオリン協奏曲の出だしについて新たに気付いたことがあって、でもそれを書くには、まずその前段として、以前アメブロで書いた5記事分を復元せねばならないのだった。