ファーストテイク

うちのバンマスと半獣神の午後ですら「似てる」とさんざん言われたという。

外から見ると、というかロックの方からご覧になると、キーボードで作ってるとか発想がクラシック的とかいうだけで「そっくり」に見えるらしい。

 

バンマスとあきらこ氏との違いを示すエピソードでちょっと面白かったこと。

打込みで、弾いたフレージングが気に入らない時、バンマスはエディットで手直しする。あきらこ氏は弾き直す。

あきらこ氏はピアノがめちゃめちゃに上手い。フレージングは弾いて作るものだと思ってるし、弾き直した方が手っ取り早い。

バンマスはそもそも、手弾きそのままを残すよりも、エディットで強弱とタイミングを作り込むことのほうが多いくらい。少なくともそれを「卑怯」と見做してはいない。

だから例えば「ファースト・テイクに神が宿る」というのも信じてなくて、それはエディットによって必ずより良くなる、という立場。

ヴェロシティの、アクセント付けや強弱の落差の極端化、ゲイト・タイムの刈り込み、付点のステップ・タイムの鋭化、などなど。

 

私自身はというと、まずもって、私は断じて「演奏家」ではない。リアルタイム録音で音符をざーっと打ち込んで、エディットで1音1音ステップ・タイムとゲイト・タイムとヴェロシティを作ってゆく、という前提。

ファーストもセカンドも何も、そもそも「テイク」が存在しない。

いいつつじつは、いままでに2か所だけ、手弾きそのままを残した。その①。

2'48" 目の右寄り定位の、ピアノの単音のひとふし。「クレシェンドの頂上でスッと引く(ピアノ・スービトにする)」ことと、その次の3連符の「テヌート」を達成出来たと思ったので、このまま採用した。

その②。

 

0'23" ~ 0'49" の、右 ch. のハープシコード

別のある曲の、「MUTE」になってるトラックを「PLAY」にしてみたら、この、アドリブの「メモ」が出て来た。フロッピーディスクのストックが切れて、ソングに空きが無くて、やむなく既存曲の空きトラックにメモした、のか??

つまりこれはもともと、この曲のために弾いたものじゃない。いくつか同時進行させる音の出来事のうちのひとつとして、たまたま見つけたばかりのこれを引っ張って来た。「これを素材に何かを作る」つもりだったけど、結局いじらずにそのまま使った。つまり「ファーストテイク」。

このあとの、最後までの箇所は、全くの失敗です。何も実現出来てない。

冒頭から 0'16" 目までのギターは、David Bowie 'It's No Game' での Fripp を意識してる。そうは聴こえないだろうけど。