歌われるためのメロ

0'38" ~ 0'42" のメロが、It Bites "Once Around The World" を聴いたのをきっかけに降って来た、といわれても、即座には腑に落ちない。

 

私は It Bites 全然知らないけど、たまたま "Once Around The World" は、2回、聴いた。ポップさと、音圧というか、各パートが分離しないみっちりと稠密な「塊」の音像で攻撃してくる「徒な若さ」に、おばさんはぐったり疲れてしまって、それ以上の回数聴けなかった。

でも、メロやコード進行の造形はユニークだった記憶がある。

 

ヒトの声で歌われるものとして降って来たメロを、インストで置き換えると、訴求力を失う。

「ほんとはね」の件のメロは、跳躍進行を含むのが特徴。これをヴォーカルでフレージングすると、たしかにある説得力を獲得しそう。そしてこれが、It Bites のメロの造形からのサジェスチョンによるもの、というのも、まんざら謎ではない。似てるというのではなく。

私なぞには、インストでもじゅうぶん美しいメロに聴こえるけど、作曲者的には、どうしてもキモが達成されないもどかしさがあるだろうことも、なんとなく想像出来る。

 

タイトルの由来は知らない。0'12" ~ 0'28" の、4音による上行メロが「ほんとはね」と歌ってるようにも聴こえる。