Yes 'The Remembering (High The Memory)'

Yes の、4曲から成る "Tales From Topographic Oceans" (1973) の第2曲、'The Remembering (High The Memory)'。

『海洋地形学』愛の深い方でも、この曲は退屈、とおっしゃってたりするのですが、私自身は初めてこのアルバムを聴いた時から愛して已まない曲です。

曲調もぴったり来るし、歌い出しの上行と下行を繰り返して歩みを進める楽想を始め、どの箇所にも「こうであらねばならない、譲れない造形」を感じます。

浸りきって豊かに時間を過ごします。

 

 

以下、長い曲のつべをたくさん貼りますが、各モティーフが登場するポイントポイントを示すためのもので、通しでお聴き頂く必要は無いです。

 

'The Remembering' の 10'18"~(、12"49"~)のギターのメロは、第1曲 'The Revealing Science Of God' の14'31"~に既出のものです。

このモティーフ出だし、「ターーータタ」の符割で順次下行する3音。'The Remembering' 1'33"~の歌メロも、これが元になってるとも見えるし、これを畳みかけて 4'21"~のブリッジ的箇所が作られ、そして第4曲 'Ritual' 0'18"~のギターに華々しく再現します。

第3曲 'The Ancient' 6'13"~のギターとメロトロンの6度ハモりの冒頭の順次上行3音は、「ターーータタ」を反行させたものでしょうか?

'Remembering' 10'41"~(、13'13"~)の歌メロの中にも、「ターーータタ」の符割による順次下行が含まれます。これをも同じモティーフの処理の一環と見做すことを牽強付会とお感じでしょうか? でもこれには理由があります。どちらも、これ

の冒頭アンダソンが口ずさむメロが元になってると思えるのです。この鼻歌には、節(ふし)毎に、上行から始まる箇所と下行から始まる箇所とがあるので。

 

'The Remembering' 2'00"~のオルガンと 6'08"~のヴォーカルのメロは、'The Revealing Science Of God' 5'14"~の再現です。'The Ancient' 8'39"~のスティールギターにも出て来ます。

そしてこれの冒頭5音「ソラソファミ」の音形は、'The Ancient' 4'39"~、6'39"~と、'Ritual' 5'24"~にも出て来ます。

'The Remembering' 6'08"~ではヴォーカルと同時進行でギターが「ドシドラ、ソ、」とハモりますが、'Ritual' 5'24"~ではこのギターの音形が先行し、ヴォーカルと交互の掛け合いになります。同じギターの「ドシドラ、ソ、」を絡ませてることから、2つの歌メロが、作曲者的にも同じモティーフに基づくものと位置付けられてることが判ります。

 

'The Remembering' 0'00"~(、10'34"~、13'05"~)のオルガンは、もしかしたら、'The Revealing Science Of God' を通して繰り返し現れるこれ

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から来てる、と見做せるでしょうか?

 

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