1'28"~1'56"。「ギター・ソロ」に期待される「メロ」とは別種のメロ。g、h、c のたった3音を使って、神経質で痙攣的な符割で。この3音はフレットの最もハイ・ポジションで、それをやるために G というキーが選ばれてるとすら思える。しかしすごい音色。
井上陽水「傘がない」(アルバム『断絶』所収スタジオ・ヴァージョン)はイデオロギーが無効になった後の世界なのだろうか? 歌詞もだけど、がらんどうの音空間の中で、間奏のギター・ソロがメロディを歌おうとして出来なくて失墜するくだりが、荒涼としてる。つべに動画無し。
1'40"~6'57"のギター・ソロでびっくりした。
ピッキングや運指が瞬間的で、それらによるミュートが一瞬たりとも存在しない。
一音一音、丁寧に、執拗に、ゲイトタイムを100%伸ばし切って、その間、響きを大切にソステヌートする。
速弾きのスーパーギタリストと称される方たちは、ステップタイムへの意識、どれだけ正確にどれだけ多くピッキングするかへの関心はあっても、ゲイトタイム、伸ばしてるあいだの響きの保持、をこんなに大切に扱う方は、珍しいのではないか?
ザッパの「天国への階段」のカヴァーは、思い出し笑い出来るレヴェル。いつのライヴか忘れたけど、原曲のあの有名なギター・ソロをザッパはどう処理するんだろう、ザッパ自身ギタリストだし、と期待しつつ当該箇所に差し掛かると、なんと完コピして、かつ、あの、まさにギターによって弾かれるためのメロを、なんとブラス・セクションにやらせてる。
音楽で思い出し笑い出来る例って、他にあるかな?と思ったら、あった:
3'25"~3'54"のギター・ソロ。
今回久々に聴いたら、笑うどころか、ボロボロに泣けた。