音高を固定する

音高を固定する。

 

Ⅰ 音場旋律

様々な録られ方をした A。

コンサート・ホールで、間接音多めに録られた A。

デッドな部屋で録られた A。

野原で、森で、街中で、録られた A。

エフェクターを通した A。

既存の録音物、オーケストラと共演したソロ・パートのメロから A の音を抽出して来たもの。

ドライな A。

これらを編集で繋げる。

メロディというのはふつう、音高の差によって作られるけど、これを固定し、音場の差によってメロディを作る。

 

のび太

① 主メロとワン・コードの伴奏による曲をまず作り、テープに録音する。

② これの変奏として、主メロの音高が常に一定になるように回転数をいじる。

一定の音高の主メロに対して、コードが、①での主メロの動きに反行する動きで、付く。と同時に、回転数に応じてテンポが随時変わる。

これを「のび太」と名付ける。

のび太が、ある理由で、0点を取る、その理由を問う」のではなく「のび太であるという理由で0点を取る」とする。

のび太だから」「のび太のくせに」は、「コギト・エルゴ・スム」であり「1+1=2」である。

仮定として「コードが一定である」とすると、そこから主メロの動きを記述出来る。

仮定は仮定であって、「主メロの音高が一定である」を前提にして、ここから見える世界の形もある。