メモ(「危機」と『海洋地形学』)

ティーフの関連付けで曲を構成するという時に、いっぽうでは、聴き手あってこその曲だから、聴き手に判りやすくくっきりと示すことが重要、そしてそれが聴き手の「物語のたっぷりとした読後感」みたいなものに結び付く時に初めて意味を持つ、という立場があるでしょう。

'Close To The Edge' の構成を「巧み」とか「感動的」とか評価する時、この立場から見てると思います。

もういっぽうでは、曲は、作曲者の「世界」の具現、作曲者の内的な欲求であって、曲を内側から有機的に組織することが重要で、表向き一聴してリプライズや変奏と判ることは必ずしも必要ではない、という立場があり得ます。作曲者は、すべての箇所、すべての瞬間に「必然」が欲しい。パーツがそこにその形であるということの必然を保証するものとして、「モティーフの関連付け、それが有機的であること」が要請される。

"Tales From Topographic Oceans" は、'Close To The Edge' のようには、聴き手にストレートには訴えかけないかもですが、モティーフ設定とその関連付けにおいてはこちらの方が、饒舌で豊穣だし、表層の効果で終わらせてない。

 

曲が世界の読解ではなく、曲自体が世界であろうとするなら、世界はそもそもそんなに都合よく見えやすいものではないし、聴き手的にも、読解を与えられるよりも聴き手自身が世界に面と向かって積極的に読み解くことのほうが楽しい、ということはあると思います。