Gong "You"

私は「カンタベリー好き」とはいえない。

私が求めてるのは、着想の突飛さ、造形の目醒ましさ、そしてユーモア。カンタベリーの中に、私好みの要素をことさらに見付けて喜んでる。カンタベリーの聴き方としては邪道なんだと思う。

リフが苦手だし、ジャズ・ロックが苦手だ。

「ジャズ・ロックが苦手」というのは粗雑な言い方だけど、作曲よりも演奏主体で、ソロが延々続くもの(リフ上でやるにせよ、モード・ジャズ的にやるにせよ)が苦手。

リフは「乏しいアイデアで時間を埋める卑怯」だと思ってる。

 

私の Gong は "You" から。いくばくかの予備知識から、「スペイシーなトリップを企図した執拗なリフ」の音楽を予想して臨んだ。「そういうのは苦手だけど、後学のために」くらいの心づもり。

そしたら冒頭2曲がこんなで、びっくりし、狂喜した。

1曲目でいきなりあっちの世界に引きずり込まれる。異教的で秘儀的。当時(中3)の私の料簡が「エスニック」よりは「エキゾティック」にあったことをここに懺悔致します。

2曲目、これこそ私がカンタベリーに期待する「cheerful insanity」。

2曲とも、短いのが良い。

 

このあとアルバムは、(B面冒頭 'Perfect Mystery' が短くてポップなのを除くと、)予備知識どおりのリフ主体の展開で、持て余した。時々フックとなる箇所があるぶん、「だからそういうことが出来るんだったらそういうことだけで曲を造形して下さいよ」と思った。

 

"You" はスタイルが固まって来てて、前作 "Angel's Egg" の雑多さの方が、アルバムトータルとしては、私の好み。