ドビュッシーの命日に

03月25日はドビュッシーの命日です。

ドビュッシー最後の作品は「ヴァイオリンとピアノのためのソナタ」です*1。1917年完成、この年の05月05日、ガストン・プーレのヴァイオリン、ドビュッシー自身のピアノで初演。これがドビュッシー生涯最後の公開演奏となります。

翌1918年の03月25日、直腸がんで亡くなります。

Ginette Neveu, violin

Jean Neveu, piano

Recorded Mar 18, 1948 Abbey road Studios, London

 

私が最初に聴いたこの「ソナタ」は、ジネット・ヌヴーのヴァイオリンによるものでした。さっそくこの曲に取り憑かれました。

その後いろんな演奏家を聴き較べて、ヌヴーについては「こんな情熱的でロマンティックで濃くて強いドビュッシードビュッシーじゃない」と、聴かなくなってました。

今回聴き直して感動したわけですが、私の反応のしかたは、私の予想と違ってました。

予想では

「有無を言わさぬ名演の前では情熱的だのロマンティックだのの評価は瑣末なこと、と思い直すに違いない」

だったのですが、むしろ逆に

ドビュッシーがものすごく正しく音化されてる」

でした。

たしかに強い印象を残す演奏なので、これでこの曲に出会ったのは幸運だった、と思います。

*1:ウィキペディア「ヴァイオリンソナタドビュッシー)」の脚注によると、

ヴァイオリンソナタ完成前後の1917年2月から3月にかけ、ピアノ曲『燃える炭火に照らされた夕べ』(Les soirs illuminés par l'ardeur du charbon)が作曲されたが、私的な作品であり、長い間存在が知られていなかった。2001年に発見され、2003年に出版されている。