記憶にある物事が、ググっても出て来ない。
この世に存在しない物事を憶えてるとは、どういう事態か。
① /4
たしか、イタリアのロックのレーベルで アミアモチ ってありましたよね?ね?
うーん。
「《餅焼き網》に似た言葉」として憶えてるのだが。
② /4
実家には NHK の FM 放送をエアチェックしたカセットテープがたくさんあった。
なかに ヴィルフリート・ミッヒェル という作曲家の「オルガンと打楽器とテープのための《キリエ・エレイソン》」という曲があった。
いつ頃の放送か判らない。音源は、「〇〇放送協会提供」的な、外国のライヴ録音のようだった。
色彩的な音の出来事がとっかえひっかえ現れるような、聴感的に楽しめる曲だった気がする。コンセプチュアルであるよりは。
演奏者については、オルガンがジグモンド・サットマリーだったのだけ憶えてる。
曲に続いて、この NHK の番組の DJ の声で曲紹介がひとこと入ってた。船山隆だと思う。
ウェブでは辛うじて1曲、楽譜の情報が見つかる:
実在しない人物について記憶してるのではないことを確認できてホッとした。
③ /4
詩の断片を憶えてる。
「瞬きひとつで風景が変わり」
出典が判らない。いつどこで見たのか?
頭の中で「田村隆一」「吉本隆明」「思潮社現代詩文庫」というワードと結びついてるが、後付けに決まってる。
あと、
「どのように叫べばよいか長い間忘れていた」
も同様に、いつの間にか憶えてて、出典が判らない。こっちは「吉増剛造」と結びついてる(後付け)。こっちについてはこの過去記事
でも書いたのですが。
④ /4
私の最古の部類の記憶で
My Slice
というのがある。
(たぶん)ヤマザキパンの(たぶん)コッペパンのシリーズの名称。
ググってもかすりもしない。記憶の捏造だろうか?
ネーミングが、ツッコミどころ満載、というより端的に「謎」だ。
なぜ「my」なのか。なぜ「slice」なのか。
「my=私の」の「私」って誰なのか。
記憶の中で、この商品は slice されてない。前述のとおり(たぶん)コッペパンなのだ。
だいいちこれ、発音したら
mice lice(ネズミ・シラミ)
じゃないか。だから無くなったんじゃないか?