(2016-04-16 記)
フォーレ「レクイエム」、ジョン・エリオット・ガーディナー/モンテヴェルディ合唱団、他。
冒頭、合唱歌い出しの Dm の和音の、ハモりのあまりの純正に泣いた。
前々回、イギリスの演奏家の響きが磨かれきってる、の話
のときに、真っ先に挙げるべきだった。
響きが透明なのは、むろんピリオド楽器のオケ&ヴィブラートの無い唱法による合唱のせいもあるが、いわゆる「第2稿」(ネクトゥー/ドラージュ版?)を採用してるから、というのも理由。
従来最も演奏頻度の高かった「第3稿」よりも編成が小さい。
ただこれをもって 'original orchestration' と銘打つのが適切か、この曲の「版」「稿」の変遷には、微妙な問題がある。
-・-
ピグの友人から、あるメロディを示され、何の曲だっけ?と問い合わせをもらった。
覚えのあるメロなのに誰の何の曲か思い出せず、けっきょく「ソーミファソミドレミドーソー」で検索した。
知恵袋に同様の質問があった。フォーレの「ドリー」第1曲「子守歌」だった。
フォーレを思い出せないとか口惜しすぎる。
「レクイエム」の記事を準備し、フロアで合唱曲「マドリガル」やピアノ独奏曲「舟歌」を掛けた直後なのに。
この曲はメロディも和声もあまりに素直で、咄嗟にフォーレを思い起こせない(言い訳)。
フォーレ=自由な転調、の先入観があるので。
エンハーモニックを辿って、つまり絶対的には同じ高さの音を、何調の何の和音の第何音と読むか、その読み替えを頻りに行ってゆく。
大胆、でも唐突ではなく、微妙で、なめらかな転調。
じっさい、友人からメロを示された時、その素直さから、まず思ったのは
「ビゼー?」
だった。
このデュオ知らなかった。
私は弱音のきれいなピアニストが好きなのだと思い出した。
「音」よりも「静けさ」を感じさせる演奏。
6曲からなる「ドリー」から、第1曲「子守歌」、第6曲「スペインの踊り」、の2曲。
ドリーを思い出させてくれて、イケメン兄弟デュオ発見のきっかけをくれて、ばりゃぴさんありがとう。