叔母の家には猫の世話係として雇われた、ともいえる。
たしかに一緒に過ごす時間の長さだけで言えば、私が彼女(猫)にとっていちばん親密な存在だった。
彼女は生まれて間もなく捨てられていた。冬の寒い夜。兄弟姉妹のうち、最後まで貰い手が見つからなかった1匹、だったのかも知れない。
叔母の知り合いが通り掛かりに鳴き声に気付いて、見兼ねて保護したのだけど、ペット禁止のアパート住まいだった。
それで叔母宅に来ることになった。私にとっては叔母宅の先輩。
私は猫好きだけど、「欲しい、飼いたい」という気持ちが先に立つことはない。私の感覚だと、猫を飼うことになるのは、のっぴきならない成り行きからであって、むしろ「人間がペットを飼うこと」一般に対して批判的ですらある。
さて。
本当にとんでもないことなんだけど、さっき、"Houses Of The Holy" のB面の1曲目が何なのか思い出せない自分に気付いて、愕然とした。
結局カンニングした。でも 'Dancing Days' というタイトルを見てなお、どんな曲だったか思い出せなかった。
ああ、なるほどこれか。
(オフィシャルのつべはなぜか再生レヴェルが低いので、これで。)
リフのシンコペイションが面白い。
ただし。
'For Your Life'("Presence" 所収)もリフのリズムの実験で、リズム音痴だった私はこれがシンコペイション始まりなことを飲み込むのに手間取った、というかまさにこの曲によって私はリズム≒符割というものに目覚めた。
つまり当時、'For Your Life' についてはリズム解釈の困難を克服した。ところが、 'Dancing Days' については、解釈の誤りを正す機会のないまま記憶から消えて今に至って、今日久々に聴き直して、ああ、こういうことだったのか、と20年越しの納得をしたのだった。
そういえばたまたま最近、知人(アラカンの)が高校生当時なさってたバンドのお話を伺った。'Black Dog' でドラマーが拍子を取るのに苦労してた、というお話。
私は、あれっ?と思った。あの曲、苦労するのはドラム以外のパートの筈。ドラムがベーシックな4拍子を刻み、他のパートがそこに絡まる。
たしかにトリッキーな曲なので、ギター+ベースのリフで拍子を解釈すると、間違う可能性がある。そしてそれを基準にしてそこにドラムを合わせると、怖ろしくややこしいことになるかも知れない。
バンドスコアはお使いにならなかったのだろうか? あるいは出回ってるスコアがそもそも取り損なってたのかも?
にしても、平生、私は「"Houses Of The Holy" が ZEP でいちばん好き」と公言してるくせに、収録曲が完全に記憶から抜け落ちてて、ショックだった。いったい私はこのアルバムの何を好きだと言い張ってたのか?
'The Song Remains The Same'、'The Crunge'、就中 'No Quarter' の印象が強烈すぎた、というのは言い訳にならない。