#良さが分かるまで時間がかかった名盤
— 新海智子 (@coccyx_T) June 10, 2022
「'Getting Better' なんか XTC のパクリじゃん」と思った pic.twitter.com/onTnDqFnZm
じっさいには『サージェント・ペパーズ』を XTC よりも先に知ってたのですが、
「革新は、その影響が大きいほどスタンダードになるので、最初にその革新を行った者の功績に気付きこれを評価するには、勉強が必要だし、知識としてだけでなく実感としてピンと来るには、タイミングなり偶然の経緯なりが必要だったりする」
ことをいいたかったのです。
で、今時点でなお良さが分かってない、今なお時間がかかり中、名盤とされそのアーティストの代表盤とされてさえいるのに、という例が、私の場合 King Crimson "In The Court Of The Crimson King" と Led Zeppelin "Ⅳ" です。
(私は KC では "Starless and Bible Black"*1、Zep では 5枚目、6枚目、7枚目が「良い」と思います。)
この2枚にはわたし的共通点があります。人気曲がA面ラストに置かれてて、私がその曲を嫌いなことです。
どちらの曲も、外枠としての楽節ありきで形を整えその中に閉じている。その帰結として、徒に長い。展開が、本当に音楽的であるよりは、何か文学的な発想から来てると見える。
ある方が御ブログで Wallenstein "Cosmic Century" をご紹介になってて、初めて聴きました。好きだったのですが、御記事はA面最後の 'Silver Arms' をとくに評価なさってて、ここでも私の好みの世間とのズレを思いました。曲の性格というかアルバム中の位置付けは、これも 'Epitaph' 'Stairway To Heaven' に相当して、いっぱんにA面ラストはこういうもの枠として使われるケースが多いのだなと思いました。
「反復が多く無駄に長いA面ラスト曲」というと、"Abbey Road" での 'I Want You' と、『陽水Ⅱ センチメンタル』での「夜のバス」を、まず思い出します。
でも私はこの2曲を好きです。この評価の差がどこから来るのか?
後者は、曲としてはシンプルで、これを「深町純による、弦楽オケとシンセをフィーチャーしたアレンジ」でどこまで大掛かりに展開できるか、をやってて、これはこういうものとして、「意識的」「音楽的」なものとして、積極的に評価できる。
ということなのかなあ??
そういえば 'I Want You' での増3和音は、'Epitaph' などの Fripp の諸作を連想させなくもないです。