Genesis の引用

edith さんの御記事で、Mordecai  Smyth という、マルチ・ミュージシャンによるソロ・プロジェクトの 3rd. アルバム "Things Are Getting Stranger On The Shore" をご教示頂いた。

私はとくに、'Out of Thin Air' という曲のコード進行とアレンジが好き。抒情とはこれのことかと。

'In Your Dark Space' という曲では、5'57"~ で、Genesis 'It' を引用する。

といって、音的に Genesis フォロワーなわけではない。曲調の振り幅は、この2曲からでも垣間見えるかと。

 

で、ふと、Genesis 自身が 'The Lamb Lies Down On Broadway' で The Drifters 'On Broadway' を引用してる箇所を連想したのだった。

 

Yes は 1st. と 2nd. ではカヴァーやってるし、Simon & Garfunkel の 'America' もやってる。

King Crimson ですら、ライヴで Donovan 'Get Thy Bearings' やってるし、これは 'Pictures Of A City' のイントロのメロの元ネタになったとも見える。

'The Devil's Triangle' は Fripp, McDonald 曲となってるけど、ホルストだ。

 

Genesis がカヴァーやってたっけ?と思って。カヴァーやるような人たちだっけ?と。

マニアではないのでつぶさには知らない。

なんしろ、引用はやってるなと。

 

'Horizons'(Hackett 曲)の一部がバッハ『無伴奏チェロ組曲第1番』の「プレリュード」に聴こえる。作曲のプロセスを私は知らないけど、Hackett がバッハのこの曲を知らないはずはないし、これの本歌取りとして作曲が始まったんじゃないか。

 

'On Broadway' は、もともとは Barry Mann と Cynthia Weil が書いた。リリース順でいうと The Crystals ヴァージョンが最初(1962年)だけど、

録音順でいうと The Cookies ヴァージョンが最初(リリースはたぶん1963年)。

これが Jerry Leiber / Mike Stoller とのコラボで The Drifters のレコーディングに持ち込まれる際、アレンジが練られ、歌詞が刷新された。1963年。

オリジナルの歌詞は、主人公がブロードウェイに向かう途上にいる。刷新版では、現にブロードウェイにいて、困窮してる。

 

Genesis が引用したのは、歌詞的にもメロ的にも、The Drifters ヴァージョン。

4'22" 目から曲最後まで。最後ぷっつり切れるのは、次の曲 'Fly On A Windshield' にクロスフェイドで繋がるから。

 

Genesis は基本、こういうことはやらない、ごく稀な例だと思う。あと咄嗟に思い付くのは、'Los Endos' で 'As Sure As Eggs Is Eggs' からのセルフ引用やってることくらい。

 

追記

歌詞については、'The Musical Box' で Nursery Rhyme を引用してますが。

 

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