下書き放出(アリスの顔)

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21歳のアリス・リデル、ジュリア・マーガレット・キャメロン撮影。ブックレット "Alice's Adventures In Oxford" (Pitkin Pictorials 1980) から。

 

少女時代のポートレイトでは、アリス・リデルはむしろいつも不機嫌そうな仏頂面で、当初私は、ことさらかわいいという印象をもたなかった。

当時は写真に撮られるということ自体が緊張を強いられる機会だったろうし、どういう表情したらいいのか戸惑った結果なのかも。

見るうちかわいく思えてきたけど。

 

当初かわいく思えなかった理由のひとつが、テニエルによるアリス像とのギャップ。

 

メアリー・ヒルトン・バドコック Mary Hilton Badcock のファミリー・ネームが、ウィキペディア不思議の国のアリスの挿絵』>「テニエルの挿絵」>「テニエルの画風とアリス像」と、『アリス (不思議の国のアリス)』>「容姿」では、「パドコック」になってる。

不思議の国のアリスのキャラクター』>「アリス」では正しく「バドコック」。

 

テニエルが描いたブロンド・長髪で額を出したアリスは、黒髪でおかっぱ頭であった実在のアリス・リデルとはまったく異なる姿で描かれている。これについてはキャロルの推薦でメアリー・ヒルトン・パドコックという少女の写真をモデルにしたという説がしばしば唱えられてきた。これはもともと成人したパドコックとその夫がキャロルの伝記作者に提供した情報であったが、しかしキャロルがパドコックの写真を購入したとされる1865年1月には、すでにテニエルは12点の『アリス』の挿絵を仕上げている」「テニエルは『パンチ』の初代編集長マーク・レイモンの娘をモデルにしたのだという主張が、その娘(レイモンの孫娘)によってなされたことがある。しかしいずれも第三者の証言や資料はなく、またそもそもキャロルの書簡のなかに、テニエルがモデルを使わないことを嘆いているくだりがあるため、どちらの説もあまり信憑性はないと考えられる」

ウィキペディア不思議の国のアリスの挿絵』>「テニエルの挿絵」>「テニエルの画風とアリス像」)

 

というわけなので、成人したアリスが写真によっては滅法美人なのに驚いたのだった。

 

アリスは84歳まで長生きした。晩年の彼女も「きれいなおばあさん」だ。その写真を私は "Visages d'Alice" (Centre Pompidou 1983) で見たはずだけど、いま手許に無い。