音楽が向こう側の世界を見せるというか、向こう側の世界からやってきた音楽というか。
というとき、ほんの素朴でささやかな音が、象徴の力で大きな世界を示唆する、というケースもある。
聴き手の側の事情でいうと、とくに子どもの頃は、ほんのひとかけらの音から自前のイマジネイションでその世界を開いてしまうことがあって、それは必ずしも作曲者の意図するところでなかったりする。
自分の中に埋まってる桃源郷を喚び醒ますきっかけとしてのプログレ視聴。
木立の向こうに垣間見える建物は美しい。建物そのものの性質や価値ではなく、置かれた環境に依存する「見え方」が価値を生む。
『不思議の国のアリス』の挿絵より:
そういう「象徴」「示唆」「垣間見え」ではなく、異界の扉が全開になってしまって、向こう側の音楽がどっと押し寄せて来た、という体のプログレ作品もある。
「Pt.1」とありますが「Pt.2」の誤りです。
私の「プログレ最高の瞬間」がいろいろある中で、"Ommadawn" の「B面」の、開始から 5分23秒間は「《示唆》じゃなくて《そのもの》」の例。向こう側の音楽そのものが、十全の姿で、そのものの楽想そのもののアレンジで、溢れ出した、そういう音楽。
「Mike Oldfield - Topic」というチャンネルには「2010 Mix」も上がってるけど、今回はオリジナル・ミックスで。
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