今回この曲を知ったわけだけど、曲としての完成度というのと別に、聴く者のイマジネイションを刺戟してくると思った。
件のコード進行*1から開ける視野の一例を、それに続く箇所の楽想が、きっちり形にして示してるし、聴く者がイマジネイションを拓くためのヒントとしての力もある。
「半音ずつ下がってゆくベースライン」は Henry Purcell の発明だと思ってた。
オペラ "Dido and Aeneas" 終わり近くのダイドーのアリア 'When I am laid in earth'。
10小節目(0'57" 目)から最後まで。ベースがグラウンド・ベースになってて、g から d までの半音階的下降進行を含む。
ところが、これは Francesco Cavalli のオペラ "Erismena" に既に見られるなど、嘆きや悲しみを表す場面でしばしば修辞的に使われたものらしい(未確認)。
"Erismena" の初演は1655年、"Dido and Aeneas" は1689年。
*1:追記 2021年11月24日
Zep 'Stairway To Heaven' のパクり元とされた箇所のことです。この記事は「'Stairway To Heaven' 盗作訴訟で Zep 側勝訴」の報に接して詠める、の3記事目です。