謎は「仕込む」ものではない。
この行には裏の意味が仕込まれてるのではないか、と鵜の目鷹の目で詮索裏読みの対象になるのは、ルイス・キャロルとかの大作家だけで、その場合作者の意識に関係なく、読者が勝手に謎を作ってくれる。
私が謎を「仕込んで」拾ってもらおうというのは、お忙しい読み手のお手間に甘えることで、いけにあね。
謎というか、さいきん超常現象を体験した。
拙記事中で、キング・クリムゾンが1975年にリリースしたベスト盤『新世代への啓示』について書いた時、その原題をネットで確認して
The Young Person's Guide To King Crimson
とした。
ところがその後ある機会に、ネットでこれが正しくは
The Young Persons' Guide To King Crimson
であることを知り、訂正した。
ところがその後、ネットで、これが正しくは
A Young Person's Guide To King Crimson
であると確認して、訂正した。
長い石段が、数える度に段数が違うみたいな、机の一辺の長さが定規で測る度に mm 単位で違うみたいな、永久に訂正されない一行に思えた。
最近、アメブロの Rendezvous 6:02 氏の御記事によって、これは
A Young Person's Guide to King Crimson
であること、これとは別に、1999年リリースの
Cirkus: The Young Persons' Guide to King Crimson Live
があること、を知った。
Discogs には、
A Young Person's Guide To King Crimson
に、誤って
The Young Persons' Guide To King Crimson
のタイトルが付けられているものがある。1999年のライヴ盤と混同されたものと思われる。この Discogs の記事にはレーベルの写真があり、これを見ると一目瞭然
A Young Person's Guide To King Crimson
なのだが、私の最初の訂正は、うっかりこの記事を参照してしまい、レーベル写真を見るためのクリックを怠ったことによるものだった。
ただそれだけのことだったのではあるが、もともと誘因として、
A Young Person's Guide To King Crimson
にせよ、ブリテンの
The Young Person's Guide To The Orchestra
にせよ、'person' が単数形であることへの違和感があった。
(every が単数扱い、みたいなノリだろうか?)
最終的に Rendezvous 6:02 氏のおかげで頭の中を正すことが出来た。ありがとうございます。
私を迷宮から救い出して下さった氏は「時空のおっさん」にも等しいです。