バトゥアン村のスリン・ガンブ

#かけがえのない私的名曲 として前回 F. アンドリューの二重バラードを挙げた。

もう1曲、これ

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の最後のトラック、バトゥアン村のガンブを挙げる。

このアルバムのメイン、4曲中3曲は Gong Kebyar Dharma Santi によるゴン・クビャールで、派手な響きと超絶速いテンポで、「バリのガムラン」鑑賞欲をこれでもかと満たす。

でも私が魂持ってかれたのは最後の1曲、ガンブのほうで、響きが、イメージしてた「バリのガムラン」と全く違ってた。幽玄というか、静謐で秘儀的。

音階も、分類すれば「ペログ音階」なんだろうけど、それで割り切れないこの世ならぬ調子。高音域で別の音階が接続されるように聴こえる。

 

そのトラックそのものはつべに上がってないけど、

これが、同じ楽器編成と言っていいのだと思う。主メロが、グンデルとかのけたたましい金属鍵盤打楽器ではなく、数本のスリンと擦弦楽器ルバブのユニゾン。小節(こぶし)の多いメロをユニゾンでやることで、半ばヘテロフォニックな響きになる。

ゴングの中で多分いちばん径の小さな=音高の高いもの。

鈴の木。

そして清澄な響きのためにいちばん貢献してる、トライアングルみたいに高く澄んだ音色の打楽器が16ビートを刻んでるのだが、この動画では奥にいるらしく、楽器の姿を確認できない。

 

件のアルバムは、日本公演時の録音。私の感じた「幽玄、静謐、秘儀的」のために、じつはコンサートホールのリヴァーブが役割を果たしてたらしい。ガムラン自体とは無関係な要素だ。

ガムランはいっぽうではコミュニティの「場」と結びついて「持ち運びできない」性質を持ってる。もういっぽうでは、そのあまりに高度な音楽を、音楽自体として切り離して、世界各地のコンサートホールをツアーして回るべき、また世界各地の演奏家によって取り上げられるべき、ユニヴァーサルな性格を持ってる。

 

「Gambuh Batuan」でつべを検索するといろいろ出る。

長いですが、これとか。