The Pop Group 'Blood Money'

脳内で

Who says guns speak louder?

と鳴り出したので、久々に聴いた:

当ブログで今までに The Pop Group "Y"(Radar Records、1979年)から貼ったのは、'Snow Girl'、'Don't Sell Your Dreams'。この 'Blood Money' については、殊更取り上げるという発想になってなかった。

今回聴き直して、むしろ私が The Pop Group に、オルタナ一般に求める音がここに端的に実現されてて驚いた。こんなにぴったり来る曲だったのか。意識下で時間を掛けて評価が醸成されたということなのか。

初期のロックマガジンがオルタナを取り上げるのに、「呪術」「神秘主義」「ポゼッション」といったものものしいタームを持ち出す。その牽強付会に材料を提供しそうな曲、ということにもなろうか。ひらたくいって "Y" のジャケ写に最もよく呼応する曲。

このバンド、いっぽうではジャズ~ファンクの影響の顕著なビートの疾走がかっこいいのかもだし、その要素は次作 "For How Much Longer Do We Tolerate Mass Murder?"(Rough Trade、1980年)でさらに押し出されるのかもだけど、この曲にはそれは無くて、ビートは秘儀的、サックスは節回しと音色の変調でチベットのギャリンを思わせる。ギターは専らノイズを生むために使われ、ヴォーカルの変調処理ともども空間を濃密にする。

で、それらが非常に「要領よくレイアウトされ」「良く出来た」曲作品、という印象。呪術ダダ洩れっぱなしにするのではなく。

 

こういう曲が入ってるのをすっかり忘れてた:

 

あと、この曲は今回初めて聴いた。上に言った2種類のビートのどっちでもない。異色。シングル 'She Is Beyond Good And Evil'(Radar Records、1979年)のカップリング曲。

 

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