Varèse "Offrandes"

冬至「ん」の付くものを食べる日。

 

ケンジントン、ロンドン。

f:id:shinkai6501:20191222101617p:plain

f:id:shinkai6501:20191222101654p:plain


さんぽんかん。

f:id:shinkai6501:20191222101807p:plain

 

アンサンブル・アンテルコンタンポラン。

エドガー・ヴァレーズ Edgar(d) Victor Achille Charles Varèse、ソプラノと室内オーケストラのための 『オフランド Offrandes』、1921年作曲。

ⅰ.「天上の歌 Chanson de là-haut」 Vincente Huidobro 詩

ⅱ.「南十字星 La Croix du Sud」 José Juan Tablada 詩

 

ヴァレーズは初期作品のほぼ全てを破棄した。

作曲者が自らに残すことを許した作品のうち、『オフランド』は最も古い部類で、例えば数年後の『アンテグラル Intégrales』(1924 - 1925)と較べて、響きも、曲の構成のしかたも、ロマンティックないし表現主義的。

打楽器のみのアンサンブル『イオニザシオン Ionisation』(1929 - 1931)に典型的なように、ヴァレーズは打楽器の音色つまり噪音を音楽の要素として徹底的に導入する。音響の斬新と同時に、それを明晰に組織し作品を統一する。

ヴァレーズは自身の作品を「音楽」ではなく「組織された音響」と呼んだ。『アメリカ』(1918 - 1921)はまだ「音響の網羅」的だけど、『アルカナ』(1925 - 1927)では「組織された」ふう。

ヴァレーズの音楽の素材の拡大の方向は、『砂漠 Déserts』(1950 - 1954)で電子音を、テープを、導入する。

打楽器にせよ、電子音にせよ、ヴァレーズの音響の扱いは、明晰で論理的ではあるけど、非西洋の、陶酔的ヴァイタリズムに根差してるとも見えて、一筋縄でいかない。

 

Vincente Huidobro はチリのシュルレアリスト詩人、José Juan Tablada はメキシコの詩人、だそうです。

 

実家のアナログ盤の演奏は、フリードリヒ・チェルハ Friedrich Cerha 指揮アンサンブル "ディー・ライエ" Ensemble "Die Reihe"、マリー=テレーズ・エスクリバーノ Marie-Thérèse Escribano のソプラノだった。