「『ラムシャックルド』を聴き通す」という成句がある。
死ぬまでに到底成し遂げられない課題のこと。また、長年の懸案を、機会を捉えて漸く片すこと。
音源入手はこの上なく容易である。長さは34分しかない。
でも人生の課題の優先順位のせいで、結局、いつまでも聴き通せない。
名盤なのをいまさら認識。
この1曲には親しんでた。小6少女の「プログレに桃源郷を聴きたい」欲を満たす曲調。このアルバムのセールスは、アンダソンがヴォーカルで参加のこの1曲に大きく依存してる筈。詩はウィリアム・ブレイク。
1975~76年、イエスのメンバーが各々ソロ・アルバムを出す。
私が、イエスにおいてはスクワイアが音楽担当、アンダソンがラリパッパ担当、というイメージをもつのは、夫々のソロ・アルバムの印象のせいもある。
ハウは、イエスにおいて、とにかくアイデアを詰め込めるだけ詰め込む。のべつ弾きまくってる。それを可能にしてるのはハウの職人性。技の多彩さでイエスに対応してるけど、気質として必ずしも彼はプログレではない。彼こそ最もソロアルバムを出す必要があった。
モラーツはイエス的とかを大きく超えて図抜けた独自の音楽性。
そんななか、ホワイトはどうするんだろう?と心配する向きは無かったんだろうか?
いちドラマーに徹してセッション主体のものになりそうなところだし、じっさい『ラムシャックルド』にはそういう要素もある。でも私は、曲が創意を以て書かれてることにいちばん驚いた。
上に貼った 'Avakak' が特に。この曲の作曲は、Kenny Craddock、Colin Gibson、Peter Kirtley。