ふと思い出した。「ジェネシス」という語の、音(おん)だけ、語感だけから既に夢想を限りなく広げてたこと。小6の私はこれが「創世記」の意味なのを知らない。
「クリムゾン」が「深紅」なのを知らない。「ユーライア・ヒープ」って何だ?でもその音(おん)は、アーティストへの期待を弥が上にも高めた。
多分に筋違いで、アーティスト的には迷惑な、期待。でも名乗る側にも、そういう思わせぶり効果を狙う意図は、多かれ少なかれある筈だし。
知恵が付いて、知恵に沿ったものの見方しか出来なくて、ロマンティシズムを根拠が無いものとして排斥する大人の私がバンド名を面白がる時、その理由は、もっと皮肉で厭味だ。
Yesterdays。このバンド名に膝を打った。
Relayer でも Fragile でもなく、Yesterdays。
"Yesterdays" はイエスの 1st. と 2nd. からのセレクトを中心とするベストアルバム。
リリースは1975年、つまり "Relayer" の後。初期も良いので聴いてね、的な。
この、影の薄い、存在意義の明確でない*2ベストアルバムのタイトルを、バンド名に使う。最高のシャレだと思った。
前身は You And I というバンドで、やはりイエスがらみのネーミング。こちらは出音がロックで、イエスからの影響がより直接的かも知れない。
Yesterdays はアクースティック要素が強い。でも、例えばこれ
の4分12秒目には、イエスの聴き手なら、微笑んでしまう。
No one I think is in my tree.
作曲も演奏も、丁寧に作り込まれてて、質の高いバンド。
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