ボウイ命日の10日に気を取られて、誕生日の8日を忘れていた。
去年、「最も美しい音楽は何か?」という、不毛だし答えようもない問いを敢えて立てて、この曲を挙げて(アメブロで)書いたら、数時間後に訃報が入った。
「最も美しい音楽」1曲を選びようがないのは、美の基準がたくさんあるからだし、美しい曲がたくさんあるからだ。
「構築美において1番」とか「色彩美において1番」とか、条件を付ければ全く選べなくはない。
条件を付けることは、瑕であり不完全であり、「醜」であって、「条件付きの美」は矛盾だ。
この曲には陶然となる。音を即物的な音そのものとして処理することに徹しつつ、そのことと陶然とが一如である。
この曲が「最も美しい」理由を説明しようとして、そのことが乃ち条件を付けることに、やっぱりなってしまった。去年おおよそそんなことを書いた。