(2016-01-26、お題「カセットテープって知ってる?」に沿って)
サウンド&レコーディング・マガジンのサイトが、1月12日付で、ボウイを追悼して、2003年8月号掲載のアーカイヴ記事を再掲していた。
トニー・ヴィスコンティへのインタヴュー記事。
【デヴィッド・ボウイ追悼】名曲「HEROES」の制作秘話 | サンレコ・アーカイブス | サウンド&レコーディング・マガジン
なかで私が興味を引かれた箇所。
ベルリンのハンザ・スタジオのラージ・ルームについて。
「人工的なリバーブ処理を施さなくても、素晴らしいナチュラル・リバーブが得られる」「コンソールのエフェクト・センドから送った信号を部屋に置いたスピーカーから鳴らし、そこにセットしたマイクロフォンで部屋のサウンドを録ってコンソールのエフェクト・リターンに戻せば、立派なエコー・システムになった」
「デヴィッドの目の前にセットした第1マイクにかなりヘビーなコンプ処理を施す一方で、ルーム・アンビエンスを録る第2マイクと第3マイクにはゲートをかませ、3本をミックスしながら1本のトラックで録るという方法」「第2マイクはデヴィッドから4.5mほど離れた位置に、第3マイクは部屋の隅にセットした。第2マイクと第3マイクにかけたゲートの設定は異なり、第2マイクの方が第3マイクより小さなレベルでオンになるよう設定され、第3マイクは絶唱に近いレベルにならないとオンにならないようになっていた。つまりデヴィッドの声の大きさに応じて第2、第3マイクがオンになり、ルーム・アンビエンスの割合が増えたり減ったりするという仕組み」「最初の2つのサビのボーカルは、デヴィッドが目の前で歌っているかのようなドライな感じに仕上がった。あんな大きな部屋で録ったボーカルとは思えない、輪郭のハッキリとしたサウンドだ。しかしデヴィッドの歌声が大きくなると共に、ボーカルの空間的な広がりも大きくなっていく」
これ読んで思い出したことがひとつ。
バンドでの、ヴォーカルのエフェクト処理についてのあるアイデア。実行に移す前にバンドが活動停止しちゃったけど。
バンマスが以前組んでた、女性ヴォーカリストとのユニットで、ある曲で試した方法。
最初、子供と大人が斉唱してる、みたいな、歌い方を変えた2つのテイクを重ねる、という狙い⇒2つに同様のリヴァーブを掛けて、やや右、やや左に定位して並べても、どちらのキャラも活きず⇒方針を変えて、大人の声はドライな直接音のみ、子供の声は間接音=リヴァーブエフェクト成分のみを使い、両方とも真ん中に定位して重ねてみたら、空気を撚れさせるみたいな「妖精めいた」効果を、図らずも挙げた、という。
声のキャラ的にもこの世ならぬものとなり、ある種金属的なきらめきを帯びる、という。
この曲を私は聴いたことがない。
当時の音源の多くが失われたのは、バンマスがDATをマスターにしてたから。
DATは生産中止で失われたフォーマット。
辛うじて、私の手許には、もらったMDから落としたmp3が何曲かある。
MDプレイヤーも今は手許にありませんが。
1992年頃?これで当時を想像するよすがとしてよいのかどうか。
これは私の知るなかでバンマスの最も古い曲。1990年頃?
カセットテープMTRの1つのトラックに同期信号を入れ、残りのトラックにヴォーカルを入れて、音源モデュールやシンセやドラムマシーンを同期させてる。
バンマスがKORG01/WFDで打ち込むようになって以後の曲は、今でも鳴らせるが(但しインスト曲のみ)、これだっていつまでもつか。
本体ももうサポートしてもらえないだろうし、記憶媒体はフロッピーですよ、フロッピー。