「Genesis 影響下のベスト・バンド」を探求すればするほど、それは Genesis の「クリエイティヴィティ」を受け継ぐバンドを求めることであって、従ってスタイル的には Genesis から遠ざかる、という皮肉を思う。
と書く時、思い浮かんでるのはシンフォ期 Hoelderlin だったりする。
1970年、Hölderlin としてヴッパータールで結成。サイケでトラッドなフォーク。
この期のリリース:
1st. アルバム "Hölderlins Traum"(Pilz、1972年)
1973年、メンバー入れ替え、Hoelderlin に改名、音楽性も、いかにもドイツ・ローカルな音像だった Pilz 期から、曲によっては Genesis を思わせるような国際標準のプログレ語法に大きくシフト、曲タイトルや歌詞はほぼ英語に。
この期のリリース:
2nd. アルバム "Hoelderlin"(Spiegelei、1975年)
3rd. アルバム "Clowns & Clouds"(Spiegelei、1976年)
4th. アルバム "Rare Birds"(Spiegelei、1977年)
"Traumstadt"(Spiegelei、1978年)は、1977年の演奏を収めたライヴ盤(2枚組)。3rd. と 4th. からの選曲が中心で、2nd. からは1曲、このライヴ盤でしか聴けない3つのトラックは、オープニングと、ヴィオラ・ソロやドラム・ソロをフィーチャーしたものと、リフ上のセッション的なもの*1。
最盛期のベストの演奏・ベストの選曲の組物、つまり Yes の "Yessongs"、ELP の "Welcome back, my friends, to the show that never ends ~ Ladies and Gentlemen"、Gentle Giant の "Playing The Fool" にあたるもの。
'Mad House'、3rd. "Clowns & Clouds" からのスタジオ録音*2。
その、"Traumstadt" からのライヴ。
'Before You Lay Down Rough And Thorny'、4th. "Rare Birds" からのスタジオ録音。
その、"Traumstadt" からのライヴ。タイトルは 'Before You Lay Down'。
ただしこのトラックは、2005年のリマスター再発 CD 以降のボートラ2つのうちの1つ。
バンドはこのあと再びメンバー・チェンジがあり、英米に向けたコマーシャルな音作りにシフトする。1980年解散。
2005年再結成。2009年再解散。