Giles, Giles and Fripp "The Cheerful Insanity of Giles, Giles and Fripp"(Deram、1968年)。
A面="The Saga of Rodney Toady" から。
B面="Just George" から。
愛聴盤。
1968年の時点で、ここまで音楽性が幅広く、アイデアに満ち、作曲技術も演奏技術も一級で、しかも慎み深くもえげつなく羽目を外すイギリス的ユーモアを具えたバンドは、類例が無い。
フリップのジャズのイディオムは、さすがに着実。
ちなみに、わたし的プログレを掘る際のキーワードが「cheerful insanity」だったりする。
2001年に Voiceprint から出た "The Brondesbury Tapes (1968)" ではもう、Ian McDonald と Pete Sinfield(と Judy Dyble)がいて、あと Greg Lake が入(って Peter Giles が追い出され)れば King Crimson、というところまで来てる。
レパートリーとしても、"The Cheerful Insanity" 収録曲のいっぽうで、'I Talk To The Wind' 'Why Don't You Just Drop In' をやってたりもする。後者は Lake 期の King Crimson のライヴ音源*1で聴けるし、改作されて "Islands" に 'Letters' として収録。
'Under The Sky' は Sinfield のソロ・アルバム "Still" に、清新なアレンジを施されて、入る。
*1:私が聴いたのは "Get Thy Bearings" という非公式盤から録音したカセットで…と思い込んでたんだけど、Discogs で同タイトルのレーベル無し非公式盤を見ると、入ってない。どこで聴いたんだろう?
ちなみに 'Get Thy Bearings' は収録曲のタイトルでもあって、Donovan のカヴァー。最初カヴァーだと知らずに聴いてて、間奏が 'Pictures Of A City' の原型だな、と思ってたんだけど、この間奏のメロは Donovan の原曲に既にある。