Genesis のデビュー・アルバム "From Genesis To Revelation" を評価する人は少ないし、評価する人も「プログレじゃないけどこれはこれで好き」という言い回しになる。
私は中坊の時初めてこれを聴いて、大好きになった。そしてそれはまさに、私がプログレに求めていたものがここにあったから、なのだけど。
メロディの造形は、たんなるポピュラー音楽のセンスを超えている。符割や順次/跳躍の創意が目覚ましいし、モードに敏感。
管弦を含むアレンジの妙味ある工夫、コーラスのアレンジは、色彩豊かなイメージの世界を現出する。聴く私の側の、夢見がちな中坊のイマジネイションで、実際に鳴ってる出来事以上に勝手に、夢想を延べ拡げてた、ということがあるにせよ。
アナログ盤でいうA面最後の曲 'In The Wilderness' のサビが、B面冒頭に、和声付けを変えて、ギターによるアレンジでささやかにリプライズした時、私のこのアルバムのプログレ認定が確定した。
今も変わらず好きなアルバム。
むろん、メンバーたち自身にとっても、これは不本意な作品だった*1し、トニー・バンクスは「私の幼年時代」と呼んでるし、だからこそ次作 "Trespass" で大化けしたわけだけど。