Pentwater ②/2

2007年の復帰作 "Ab-Dul" で Pentwater に出会って、そのガチャガチャと雑多な感じがツボだったのだが、次に聴いた1992年リリースの発掘音源集 "Out Of The Abyss" では、ゴリゴリのプログレ・バンドとしての水準の高さに驚いたのだった。

 

1st. "Pentwater" は、私はつべでしか聴いてない。

前回、収録曲数と曲順が LP と CD とで違うことに触れた。

まず、A面1曲目とB面1曲目が入れ替わってる。そして CD は収録曲数が4曲多いのだけど、このうちの2曲、'Prelude To War' と 'Death' は、'War' を挟んで前と後ろの位置に置かれてる(残りの2曲はふつうにボートラとして最後に置かれてる)。バンドのサイトによると、もともと 'War'(キーボーディスト Ken Kappel 作)は Kappel の22分の叙事詩 "The Tale of Lufu and Hatian" からの5分間の抜粋とのことなので、追加の2曲も、あるいはその構成要素から補われたものだろうか?

ちなみに、2013年には LP で再発されてるけど、そこでは、収録曲数はオリジナル LP と同じ、曲順はA面1曲目とB面1曲目を入れ替えた形、となってる。

 

"Pentwater" と "Out Of The Abyss" は同時期の録音なわけだけど、両者を較べると、自由で大胆な構成、作曲ありきでそこにヴォーカルも載ってる、と感じさせる、プログレ耳を満足させる曲の印象が先に立つのは、発掘音源集である "Out Of Abyss" のほうな気がする。もともとアルバムとして選曲され編まれた "Pentwater" は、歌モノの形式ありきか、インスト曲でも「まとめすぎ」な印象で、オリジナルではオープニング曲が 'Frustration Mass' ではなく 'AM' だったのならなおさらその印象が強くなる。当初はそういう方針だったのだろうか?

この 'Radioactive' はボートラだし。

 

活動休止に追い込まれたのは、他のプログレ・バンド同様、パンク、ニュー・ウェイヴ、ディスコの席捲で活動の場を失ったから。

1978年03月11日、シカゴのリヴィエラ・シアターでホークウィンド*1のオープニング・アクトを務め、5,000人を前に演奏したことは確かにバンドのキャリアのハイライトだったが、数日後、イリノイ州のとあるクラブで、オーナーはバンドに「踊れる」曲をやらないとつまみ出す、と脅した。

*1:サイトではホークウィンドが何故か German space-rockers となってる。