England (バンド)

この曲のドラムのミックスってどういう手順なんだろう? シンバルは別録りだよね? ドラムキット一発録りでここまで回り込み無く各楽器の定位を独立させるって可能なのか??

というか、作曲・アレンジの意図としてこの音像を欲するということがどういうことなのか、判らない。

England。1975年結成。1978年分裂。2006年一時的再結成。アルバム "Garden Shed" と、Robert Webb の半分に切断されたメロトロンで知られる。

"Garden Shed" はプログレの極点のひとつなのだが、1977年にリリースされたのが不遇だった。

私はこのジャケの T シャツを有(も)っている。インテリアとして部屋に飾ってる。朱色は、着づらい。私の有ってる唯一のロック T である。

 

"The Imperial Hotel"(録音は1975年)はなぜ退屈なのか?

各部分の構成が「4拍×4小節×4楽節」的で、間が持たないから。

なぜそうなるのか?

基本この音楽は「歌の伴奏」であって、詞には展開がある(私は英語判らないけど、たぶん)けど、曲が自律的に展開しないから。

摑みでは「おっ!」となる。でも3分目くらいで気付いてしまう。繰り返しや循環コードの多用、構成の硬直から来る退屈を、ときどき曲調やパターンに変化をつけることで紛らす、という流儀なのだと。

就中、終盤、7拍子を、まるで伝家の宝刀みたいに繰り出して、これでここまでのすべての退屈をチャラに出来るという料簡ででもあるかのようなのが、腹立たしい。

 

"The Last of the Jubblies" は1976~77年の未発表音源集。

"The Imperial Hotel" に退屈した後に聴くと、このアルバムが如何に目覚ましい楽想を含むか、改めて沁みる。

 

England "Garden Shed" を聴くって、例えば Moonriders よりも鈴木さえ子のが好き(MRs がどこまで行っても素人の部分を残してて、彼らが「示唆する」ところまでしか行けないある種の音楽を、鈴木さえ子やリアルフィッシュが楽々と、十全に形にしてしまう)とか、バーン=ジョウンズよりも時にはストラドウィックのが有難くなることがあるとか、に近い。

 

1976年に唯一作を出したギター・トリオ・バンド England とは別バンドです。