「シンフォ」について

 

どなたかのご参考になることは何も書けませんが、メモしておきます。

 

0'00"~0'23"。次に来る曲本体に対して、ベンダーでピッチを下げています。

これ自体2つのトラックを使って、トラック間のピッチをずらしてます。

調子外れの感じが欲しいというより、「楽器演奏」とは別文脈の「効果音」的位置付けにしたいからです。

0'23" の撥弦のアルペジオが始まる時、パッと明るくなって、本当の曲始まりであることを明示する意図です。

 

0'52" のギターのメロは Genesis 'The Chamber Of 32 Doors' のパクリです。

0'57" のベースのメロは Chris Squire 'Hold Out Your Hand' のパクリです。

 

1'32"~ は子どもの頃の夢が元になっています。登場人物がいたかも知れないけどストーリーは無く、空間はあるけどシーンは無く、「質感」が主役。

持続音が左右にパンするのは、同じ音色・同じ音高の2つのトラックを左右に定位して、それぞれ別の周期で強度変化してるからです。

1'35"~1'41" 木管とグロッケンの音形は、これもピッチをベンダーで変えて「効果音」の扱いです。

1'59" の突然のブレイクは夢のとおりです。ここが「Ver.3.0」からのいちばん大事な変更点なのですが、この「最終Ver.」では、ここを境に2つの SONG に分けたうえで繋げています。Ver.3.0 では、ホルンは突然止まるけど、同一 SONG 内ではリヴァーブを切ることが出来なかった。

細かいことを言うと、01/WFD では、エフェクターの設定が完全に同じ SONG 同士を繋げるとエフェクターが切り替わらないので、片方の SONG の1か所のパラメータの値を1だけ変えて(聴き較べても違いが判らない)、「ぶった切り効果」を作ってます。

自律神経失調気味に夢からフッと目覚めると、そこも夢の中、というイメージ。もちろんこれはたんに、作者がこのアレンジを欲した理由の説明であって、聴き手にこれを読み取れと要求する性質の事柄ではありません。

「夢の中のホルンが途切れる」のと「夢が途切れる」のとは大いに違いますが、どちらにするか迷いました。

 

夢の曲といえば Television 'The Dream's Dream' です。2'08"~2'24" ハイハットはこの曲のコーダの影響です。

ハイハットはふつう、4種(オープン、2種のクローズ、ペダル)の出力グループを同じにして、オープンハイハットのディケイを、次に来るハイハットのノートオンのタイミングでノートオフさせます。平たく言うと「重ならない」。

この箇所でも 2'16" を境に、後半はそうですが、前半はオープンハイハットの連打なので「重なる」設定にしてます。叩かれる度に前のハットのディケイが切れるのは不自然だからです。

 

2'30"~最後まで は 2'08"~2'24" の変奏です。2'08"~2'24" は「単純な繰り返しの、コードだけ変えてる」、創意なき「作業」ですが、「こんなこといまさらやっても意味が無い」ではなく、形にしておけば、そこからどう転がって発展するか判らない、の例です。

ここでいう「シンフォ」とは、因習(コンヴェンション)の採用を厭わない、書法の創意(インヴェンション)より雰囲気の表出を優先させる、などの態度を示す語です(私の勝手な用法、勝手なシンフォ観です)。

シンフォ的に始めましたが、書き進めるほどにシンフォから離れてしまいました。

といいつつ最後部分の「タ↓ターー、タ↓ター、タ↓ターー」の音形は、過去作「新作のその後」「テスラ」にも出て来た「癖」「使い回し」なのですけど。創意あるのかないのか。

 

参考記事:
shinkai6501.hatenablog.com