Brian Eno 'Kurt's Rejoinder'

また私的な思い出話で済みません。叔母の書斎の記憶。

Phew「終曲」シングルのジャケから、無関係な2枚のソノシートが出て来ました。

収納場所に困って仮にそこに入れてあった、というふうに。

Rock Magazine という、阿木譲が創刊した雑誌(1976~1984,1988)の、付録ソノシートでした。

そのうちの1枚:

アレクセイ・クルチョーヌイフ、カジミール・マレーヴィチ、クルト・シュヴィッタースによる「音声詩」(という呼び方が正確か判りません。リンク先によると「スポークンワード」)。

(Rock Magazine 35号自体は未見。)

これらのアーティストの名前をこれで初めて知ったので、シュヴィッタースマレーヴィチも、まず「詩人」という認識でした。「画家」ではなく。

(クルチョーヌイフは詩人と呼んで差支えないようです。)

(この3人を「ダダイスム」で括るのが妥当か、判りません*1。)

Rock Magazine はロック雑誌といいつつロックを核に多分野をカヴァーしてたようですが、ことシュヴィッタースに関しては、これを阿木譲に齎したのはブライアン・イーノだったのでは?と憶測します。

すなわち、このソノシートに収録されていたシュヴィッタースは、これ

なのですが、この音源がそのままイーノの 'Kurt's Rejoinder' で使われています。

0'48" 目、左寄りの定位でリヴァーブを伴って聴こえ始め、1'08" 目、真ん中の定位でドライな音像ではっきり現れます。芸が細かいですが、0'48"~はたんなるクロストークかも??

歌詞は私には難解だし、シュヴィッタースとの関係も存じません*2。が、タイトルの Kurt が Kurt Schwitters のことなのは間違いないでしょう。

 

ちなみにもう1枚のソノシートはイーノのインタヴューでした。

 

1970年代、80年代の評論家には、個性の強い方が多い印象です。

ロック愛が強烈なぶん、アーティスト本人の意図を正確に紹介するのよりも先走って、自らの思い入れをゴリ押しし、空回りする、阿木譲とか、岩谷宏とか。

*1:2018年10月26日追記 当該ソノシートが「DADA」のテーマのもとにこの3人を取り上げていることを指してて、上にリンクした記事の中で紹介されていたのですが、リンクが切れてしまいました。

*2:意味内容上の関連を問うより、作詩法自体がダダ的、シュヴィッタース的、と言っておくべきでしょうか。