つくづく私は自前の情報収集能力が無い。
叔母の書斎に籠る日々にはそれが情報源の全てだったし、次いで専らユーロ・ロック・プレスのみに頼る時代、そして専らカケレコさんとザビエルさんのみに頼る時代。
今日はそのうち、ユーロ・ロック・プレス時代に知ったものを。
つい「これがプログレの結論だ」と思ってしまう作品、というのに時たま出会う。多様性と前のめりがプログレの命で、「これひとつで満足」も「ここまで来ればもういい」もプログレじゃないのは判りきってるんだけど。
まあそう思わせるくらいの「沢村賞」もの、ということだけど、私、終わらせたがってるのかな?
Yugen "Iridule"(2010)から 'Becchime'。
これ以上複雑な作曲、精緻なアンサンブルは想像できないし、これ以上は要らない、と思った。
Ensemble Havadià "'81-'82"。2006年リリースのコンピ。
この曲 'Finale' はもともと1981年のアルバム "Ensemble Havadià"(L'Orchestra)所収。
あ、そっか、L'Orchestra か。ならもともとよく知られたバンドなのか。私はこのコンピで知ったけど。
あれこれ聴いてきたプログレの、リズムの微分や和声の新奇、音の重ね方・連ね方のあらゆる可能性、造形の簡潔や豊饒、インパクトや審美、あらゆる面倒が、全部ここに集約されて、清澄に浄化されて、これが結論だ、と思った。