1か月ほど前この動画で1記事準備してたのは、ジェイミー・ミュアについて覚え書きするためだった。
これを見ると、彼が如何にこの期のクリムゾンの核であったかということと、なぜ彼がこの後わずか2か月半で脱退したのかということとの、両方が判る、と思ったので。
「ロックの解体者クリムゾン」の核であった彼が、クリムゾンの音楽の「構築」にとっては、自らを内側から破壊する自己免疫みたいな存在になってしまったのではないか、と。
彼の脱退の理由は、知られてるとおり「仏教修業の為」だが、にせよ音楽ではなく仏道を択んだについては周囲との関係の不如意があったんじゃないか?
これを聴くと、この曲の「おいしい要素」と思ってた全てがこのミュアのトラックに録音されていたのが判る*1。
要するに、この2つのつべは、プログレがまさにプログレたる現場の記録だ。
ウェットンについて書かねばならない。
プログレの最も重要なバンドの最も重要な時期のメンバーだったにもかかわらず、私にとっての彼のイメージは「プログレがクリエイティヴィティを放棄しプログレでなくなってゆく現場にいつも居合わせた張本人」だ。
UKについては以前書いたが、
そのコンサヴァUKにあってすら「私はポップな曲を書くのですが、それをジョブソンに渡すとああなってしまうのです」みたいな発言をしてた記憶がある。
エイジアは、単なるポップバンドで、論外。
彼の参加作品ではゴードン・ハスケルの2nd.ソロが好きだ。
フリップが、アルバム "Starless and Bible Black" 制作時にいったん蹴ったウェットン曲 'Starless' を、なぜけっきょくこの期のクリムゾンの最終アルバムの最終ナンバーに採用したのか知らないが、私は、『宮殿』に逆戻りしたみたいな、情が勝って、和声がありきたりなこの曲を、好まない。
*1:追記 2022年05月16日
'Easy Money' アルバム・ヴァージョンの、Jamie Muir のトラックの isolated のつべが、2度上がって、2度削除されました。
2012年、40周年アニヴァーサリーのエディションには入ってるし、たぶんここにしか入ってません。
https://www.discogs.com/ja/release/3989194-King-Crimson-Larks-Tongues-In-Aspic
DVD-6 のトラック4 'Easy Money (Jamie Muir Solo)'。