T.Sasaki「スパイキッズ2006」

(2015年11月11日、記)

 

 

ネットに接続する以前、CD 選びは、紙媒体で、レヴューやジャケから、勝手に幻想を膨らませて、勝手に裏切られたものです。

私などは舌打ちをするばかりですが、イメージと違った時、イメージ通りのものを代わりに自分で作っちゃう、というヤな奴がいます。

「副産物」をあげた時書きませんでしたが、あれは、

「ユーロ・ロック・プレスの CD レヴューに Faithful Breath の "Fading Beauty" が載ってて、『触れれば壊れてしまいそう』というアオリに惹かれて買ったら、触れなくても壊れてしまってる音楽だった。仕方ないからアオリに相応しい繊細な音楽を自分で作った」

だそうです。

 

 

スパイキッズ」というのはもともと映画で、たぶんものすごく有名ですが私はよく知りません。

これが日本で公開された時、日本側がプロモーションのために作ったアイドルユニットの名前でもあり、そのシングル曲のタイトルでもあります。

2000年台初頭くらいでしょうか。

 

キリンプロ所属の、秋山莉奈さん、芳賀優里亜さんなど4人のユニットの、そのシングルを、S君が買ったのは、純粋に趣味としてだったようですが、たまたま壊れていたCDプレイヤーの修理を待つあいだに、ジャケのデザインや歌詞から、音楽のイメージが、具体的に、膨れ上がってしまった。

優れた形をもった詞は、音楽を惹起する。その例だった。

 

プレイヤーが修理から戻ってきて、いざ実際に CD を聴いてみると。

原曲は、Taisuke Takata さんという作詞者ご自身が作曲してるのですが、折角の優れた詞をご自分で活かせてなかった。

 

その時S君の中で膨れ上がってたのが、この「スパイキッズ2006」、というわけです。

 

なので本当は、原曲を聴いたうえでこれを聴くと、笑えるんだろうと思います。

替え歌というのはふつう曲をそのままで歌詞を新たに作るのでしょうが、「替えメロ、替えアレンジ」をやってしまった。

 

 

アイドルユニット「スパイキッズ」の前身に「そらいろのきりん」というのがありました。

この名前のグループは今もあるので、あるいはメンバーを変えて継続して来たのでしょうか?

今ググってびっくりしたのですが、この新しい「そらいろのきりん」によるシングル「スパイキッズ」というのが存在するようです。

「そらいろのきりん関西組」というのもあるみたいです。