富士山(日記 2022年01月12日)

新横浜を過ぎたあたりで気付いた時にはもう、富士山が大きく見え始めてた。
真っ白。雲ひとつ無い空の青をバックに。

あそこはこことは別の世界。

別のスフィアに属する。あの高さには嵐が吹き荒んでる筈。でもここから見ると、無音の威容。
200km/h で移動する目から見て、あのサイズに見えてるものが、動かない。
そのほかの手前の山々は、標高がそれなりに高くとも、私の住むこの世界からの続きのうちのいちばん高い部分。
富士山は、高さ(物理)的にも、従って気象現象的にも、別の世界だし、精神的にも別の世界。あまりにも高過ぎて、私の、空間把握のスケールと、「好きな山 / 嫌いな山」の価値のスケールに、全く収まらない。目の当たりにすると、ヒトが何故これを「神」と呼んでいるのか、その必然が腑に落ちる。ここからは遠く、梅里雪山からは近い。

以前友人がブログに富士山のこと書いてて、以来「特別なもの」としての富士山が気になる存在になった。去年9月に私が新幹線に乗ったのを報告した時も彼女は「富士山みえた?」と訊いてきて、その時は海側の座席だったので富士山見えなかったんだけど、今回は意識して山側を選んだ。けど見え始めるタイミングは逸した。

前回海側にして後悔したもうひとつは、風景の、日陰側ばかり見えること。今回は建物の壁面がみな輝いて、コントラストがくっきりしてた。
あと浜名湖は山側に見える。ものすごく青かった。

米原の前後だけ雪が積もってたし降ってた。