Fulano
サンティアゴのバンド。前回取り上げた Mediabanda の前身バンド。
音楽学者 Juan Pablo González が言い当てるところによると 「反覇権的折衷主義」。
第1期(1984年~2003年)
1984年、サンティアゴで、Santiago Del Nuevo Extremo というバンドのメンバー、Jorge Campos(ベース)、Cristián Crisosto(サックス、フルート)、Jaime Vivanco(キーボード)、Willy Valenzuela(ドラム)に、Arlette Jequier(ヴォーカル、クラリネット)、Jaime Vásquez(サックス、フルート)が加わり結成。
4枚のスタジオ・アルバムをリリース。
Fulano (1987)
En El Bunker (1989)
El Infierno De Los Payasos (1993)
Trabajos Inútiles (1997)
創意の帰結としての複雑。語法や要素の融合を真に有機的ならしめる独創。彼らを際立たせてるのはあと、ヴィルトゥオジテ(楽器もヴォーカルも)と、歌詞。歌詞は、皮肉とユーモア、なにより反体制、反ピノチェト軍事独裁政権(ピノチェト失脚 (1990) 後の民主主義への移行の中での彼らの立ち位置は、英語版 Wiki の記述ではよく判らない)。
2003年、キーボードの Vivanco が肺水腫で亡くなる。作曲と演奏両面での柱を失ったバンドは、ライヴ・アルバム
Vivo (2004)
をリリースし、解散。このアルバムは Vivanco 最後のパフォーマンスを含む。
第2期(2009年~2015年)
2009年、ドラムに Raúl Aliaga(1996年からのメンバー)、キーボードに Felipe Muñoz という布陣で再結成。ライヴ DVD
La Farsa Continúa (2011)
と、何度かのメンバーチェンジののち、5枚目にして最後のスタジオ・アルバム
Animal En Extinción (2015)
をリリース。この最後のアルバムでは、オリジナル・メンバーは Crisosto と Campos の2人。
解散後、3枚のライヴ・アルバム
La Batuta 1993 (2015)
En Vivo En Los Ángeles 2002 (2017)
En Directo FestivAlterNativo México 2010 (2017)
が出てる。
今回はまず、2nd. アルバム "En El Bunker"。落とせる曲の無い75分間のアルバムから、37分分に絞りました。