Godley & Creme "L"

Godley & Creme "L"(1978年)。

このところ立て続けに1977~78年のものを取り上げているのは、偶然です。 

プログレを終わらせたのは、外部要因としてはパンクの台頭、と言えるかも知れない。でも、パンク以後の、当時オルタナティヴ・ロックと総称された諸々は、創意においてプログレを受け継いだというべきだ。

じじつ人脈としても、Brian EnoTalking HeadsDevo、"No New York" をプロデュースしたし、Chris Cutler は David Thomas と共同作業したし、Robert Wyatt は Rough Trade から復活した。

聴き手的にも、創意への餓えを抱えてオルタナに移行していった。既存のプログレというスタイルへの餓えを抱えて UK を歓迎した、のではない。

ものすごく図式的にいうと、以上の流れだと思う。プログレ最後の輝き England "Garden Shed" と、決定的なオムニバス "No New York" が、ともに1977年。

Godley & Creme はたぶん、その流れとは一切関係が無い。ポップの文脈にいて、その脱構築(って何だろう?)として、というか 'Neanderthal Man' 以来の天然の遊び心として、もうひとつの、そして1970年代後半で最大の「プログレ」であり得たように見える。