まず、友人とヴァーグナーの話になって、実家にあった本『バイロイト音楽祭 ニーベルング*1の指輪』(music gallery⑤、音楽之友社、1984年)を思い出した。
ごく小さな簡単な本だけど、舞台写真の図版が豊富で、これを軸に編まれてて、戦後最初のヴィーラント・ヴァーグナーから、ピーター・ホール(この本が出た1984年当時の新演出)までの演出を見較べられて、楽しい本だった。
「ファフナー」でググったら「蒼穹のファフナー」しか出ない、と驚きつつ、「ファフナーとノートゥンク」から「ヤマタノオロチと草薙剣」を連想してた。
その直後、ある方の、TOTO『ハイドラ』についての御ブログで、
《「ハイドラ」はヘラクレスに殺された9つの頭を持ったウミヘビのことで》《ヤマタノオロチそのまんまのお話ですね。とするとジャケットに写っている剣は天叢雲剣、別名草薙剣に相当します》
の記述に出会した。
続けて拝読した別の方の御ブログが、東京国立博物館で開催中の「出雲と大和」展についてで、ブログ主氏のお目当て「七支刀」とともに、「石見神楽の塵輪という、竜のような悪鬼」が気になった。
ググってみた。
↑の中の「●山口県下関市 忌宮神社(いみのみやじんじゃ)伝」に
《塵輪(じんりん:真ん中に大きな鬼の顔、その回りにやや小さな鬼の顔が7つあり全部で8つの鬼の顔からなる)》
同じく「●校定石見神楽台本より」に、「八幡宮縁起巻之一、仲哀天皇紀九年の條」の引用があって、その中に、塵輪のルックスの描写として
《塵輪というふしぎのもの、色はあかく、頭八ありてかたち鬼神のごとくなる》
とあった。
「異国」ないし「新羅国」の「悪鬼」ないし「凶酋」である塵輪が(熊襲を扇動して)攻めて来て、「第十四代の帝・帯中津日子の天皇」=「仲哀天皇」がこれを討伐した、らしい。
動画② 説明に「下河戸天満宮にて都治神楽社中の塵輪奉納。」とあるもの。
《此事日本紀の本説にたがい、ことに頭八ある人黒雲に乗じて来るなどいえる事ほ*3、妄誕不経論ずるに足らず》(上掲サイト「●校定石見神楽台本より」中の「八幡宮縁起」引用)
…ヤマタノオロチは「妄誕不経」じゃないんだろうか?