(2015年12月22日、記)
「せわしない」はなぜ「せわしい」と同じ意味なのか?と思ったのがきっかけ。
せわしが「無い」んだったらのんびりしてるのでは?
広辞苑で「せわしない(せわしなし)」を引いたら「(「なし」は甚だしいの意)」と注釈があった。
「無い」ではない「ない」の存在を知った。
これですね。→
な・い〘接尾〙(形容詞型活用)[文]な・し(ク活用型活用)性質・状態を表す語に添えて、その意味を強め、形容詞をつくる。「甚だしい」の意。「うしろめたー・し」「苛(いら)ー・し」「切ー・い」「はした-・い」「せわし-・い」
(広辞苑第四版)
「万遍(満遍)ない」についても、この「ない」は甚だしいの「ない」、という説明で確定している。疑問の余地はない。
名詞+ない、だから「はしたない」と同じ型。
まん-べん【満遍】①〔仏〕平均。平等。②ゆきわたること。遍満。日葡「マンベンニセヨ、また、クバレ」ー-な・い【満遍ない】〘形〙[文]満遍な・し(ク)(多く「-・く」の形で)ゆきわたらぬ所がない。あまねく公平にゆきわたっている。
(広辞苑第四版)
異説を唱える余地はないのだが、私は別の解釈をしてた。
「万遍に」という正しい副詞がまずあり、この語の聴感的印象から「万遍なく」という誤った派生が起こったのだ、と。
すなわち、「遍」は音的に「偏」に通じる。
「まんべんなく」と言う時には、こちらがイメージされている。
「まんべんに」は「あまねく」という意味、
「まんべんなく」は「偏り無く」という意味、
で両者同じ意味になる、と。
いやもちろん間違いですよ。
爽健美茶が売れる理由については持論がある。
「爽」は音が「痩」に通じるのだ。
「健(すこやか)」「美(うつくしい)」の文字と併置された「そう」という音をもつ1文字、として、まず思い浮かぶのはどうしたって「痩」だ。
この商品を飲むことによって、私たちは「爽やかになること」より以上に、イメージのどこかで、「痩せること」を期待してるのでは?
それを狙ったネーミング、とは言わないが。