「お伽の樵の入神の一撃」と「フェアリー・フェラーの神技」

うわああ知らなかった!

 

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リチャード・ダッド Richard Dadd、「お伽の樵の入神の一撃(The Fairy Feller's Master-Stroke)」、1855-64年、油彩、54.0×39.4cm、テイト・ギャラリー

 

「この絵はテイト・ギャラリーに展示されており、イギリスのロック・バンドクイーンにはこの絵画をモチーフにした同じタイトルの曲がある。(日本語タイトルは「フェリー・フェラーの神技」のちに「フェアリー・フェラーの神技」)、1974年リリースのセカンドアルバム「クイーンⅡ」に収録されたこの曲は、ダッドの絵と同じように歌詞には架空の生きものが多く登場し、曲調も錯綜した仕上がりになっている」

ウィキペディア「リチャード・ダッド」>作品の傾向と影響(句読点の位置原文のママ)

 

「細密画で有名なリチャード・ダッドによる同名の絵画をテイト・ギャラリーで見たフレディが、強く影響を受けて出来上がった曲で、プロデューサーのロイ・トーマス・ベイカーをテイト・ギャラリーに連れて行き、実際に絵を見せたというエピソードが残っている」

ウィキペディア「クイーンⅡ」>収録曲

 

だって、クイーンは一貫して私の関心の中心に無かったし、「クイーンⅡ」は「サイドホワイト」が好きと判定してのち「サイドブラック」は聴かなかったし、小6で英語の原題なんか読めないし、ダッドの絵とクイーンの曲とどっちを先に知ったか判然しないけど「お伽の樵の入神の一撃」と「フェアリー・フェラーの神技」が同じタイトルからの訳だなんて気付くわけないし。

 

おそらく十数年ぶりに「サイドブラック」を聴いた。印象が違う。よく憶えてる箇所全く忘れてた箇所あるけど、当時「黒い塊」と思ってたこのサイドが、緻密に作曲されてるのに改めて驚嘆する。

私の中で「サイドブラック」と一括されてたけど、その中のこの「フェアリー・フェラーの神技」1曲がとりわけ、入り組んでて、私好みだと判った。

「ダッド的」とは言えないけど*1

 

ダッドのこの絵、サイズを見て驚く。54.0×39.4cm の小さな画面にこれだけ描き込まれてる。

この絵は私にとって大切な拠り所のひとつで、それと同名の曲がクイーンにあった、という驚きなんだけど、逆に、クイーンのこの曲からダッドを知った、という方も多いんだろう。

 

「サイドブラック」こそクイーンの真骨頂なのだろうし、今回聴き直してその感を強くしたけど、つまり小6当時の私の欲してたものが「サイドホワイト」の方にあった、ということです。

 

「黒い塊」という印象になる原因は、ロジャー・テイラーのドラミングにある。とくにスネアのロー・チューニングはわたし的「ロック・ドラム四不思議」のうちのひとつ。

たまたま「クイーンⅡ」に続けて VDGG「ワールド・レコード」を聴いた、ということがあって、後者のドラムがタイトでクリアで気持ちいいと思って、この時にドラムについての私の価値観が決まった、と思う。

 

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*1:曲を絵画作品に例えて「〇〇的」とは言えない、言ってはいけないけど、ストラヴィンスキーシェーンベルク「ピエロ・リュネール」を「ビアズリー的」と言われたら、たしかに!と思ってしまう。