Hoelderlin、Ripaille、新月

昨日から脳内で「ベースとギターのオクターヴ・ユニゾンのリフ+ストリングス系の白玉」がグルグルして、出典が判らずムズムズしてた。

さっき思い出した。これのイントロ、0'00"~0'30"。

ただしこれ、曲としては、このアルバムを代表しない。

このバンドのスタイルの一筋縄でいかなさに敬意を表して、もう1曲。

シンフォ期 Hoelderlin は 2007年に EMI からリマスターが出てるけど、音が作り物くさくて好きじゃない。ヴィンテージ感がない。

 

(思い出せてスッキリ、と思いきや、新たな疑問が。

スイングジャズのヴォーカル曲(超有名スタンダード)で、このリフに似た歌メロの曲って、何だっけ?

シナトラか、ナット・キング・コールか、ヴィック・ダモンだったか…)

(6月22日追記 'Fly Me To The Moon' だ!)

 

思い出すのに時間が掛かったのは「フランスのシンフォに違いない」と踏んだから(Hoelderlin はドイツのバンドです)。

雰囲気として、これ

とか、これの 0'38"~1'06"

とかの「ラストナンバー的哀愁」を連想してた*1

 

むろんこの Ripaille というバンドこそ、音楽性が一筋縄でいかない。

この唯一作 "La Vieille Que L'on Brûla"(1978年)は Maricorne の Hughes De Courson のプロデュースで Ballon Noir から出たのだし、レーベルメイトの Emmanuelle Parrenin が参加してもいる。そのことから推し量れるとおりの古楽の要素もあるし、雑多な中に「シンフォ」的要素も含まれる、のであって。

 

ジェネシスフォロワーは全無視で差支えない。

Hoelderlin を聴くと、「ジェネシス影響下のベスト・バンド」を探求すればするほど、それはジェネシスの「クリエイティヴィティ」を受け継ぐバンドを求めることであって、従ってスタイル的にはジェネシスから遠ざかる、という皮肉を思う。

 

もともと強烈なオリジナリティを持ってること、ジェネシス摂取が巧みでしかもそれが内発性と矛盾しないこと、 において、最も優れてるのはこれだと思う:

ジェネシス摂取…「レスポールを座って弾く」とか。

この動画は PV に CD の音を充ててるっぽい。にしても 8'03"~、「引き」のカットを挿入する意図が判らない。メイキング、さもなくばコントに見える。自らを戯画化する「自己批評能力」と取ればいいのだろうか?

 

そういえば2014年に見たツイートで

「Charisma Christmas gift ideas :The Steve Hackett Stool」

というのがあった。

ハケット座椅子と銘打った商品の広告、もしくは広告になぞらえたネタで、ストールに座ってギターを弾くハケットの画像を使ってた。

そのツイートをしたアカウントは消えてるようだ。画像も無くなってる。あれはやはり、ハケットが「座って弾く」人だから、というシャレだったのだろうか?

 

「後継者」と「フォロワー」は違う。

ところでさっき気付いたんだが、ハケットの Genesis Revisited は要するに、ジェネシス「フォロワー」のうちでのいちばんのオーソリティ、と捉えるのが、一番しっくり来るのではないか。それに需要がある、ということなんだろうけど。

*1:Ripaille のこの曲はボートラで、CDのラストではあっても、オリジナルアルバムのラストナンバーではないけど。